会社設立支援について


はじめに

  会社設立の手続きは、ご自身でもできます。ご自身でやりたいという方は、当事務所のホームページを参考にして、手続きを進めていってください。

  しかし、起業しようとする方は多忙です。手続きで戸惑っている暇はないのではないでしょうか。見込み客の開拓をどうするのか、どういう商品を誰にどうやって売っていくのか、必要な人材はなど、検討しなければならないこと、起業前でもやらなければならない、やっておいたほうがいいことというのはたくさんあります。

  そのような中で、会社設立の手続きというのは、事業計画さえしっかりしていれば、さほど難しいものではありません。しかしながら、決まりを知っているか知らないかで、効率が大きく変わってしまうものです。ちょっとしたミスがあったために役所に何度も足を運ばなければならないということが、果たして起業を控えた方にとって得策でしょうか?

  当事務所では、多くの方の起業のお手伝いをしてきました。その後10年以上もお付き合いさせていただいているお客様もいらっしゃいます。その中で、やはり成功する起業家というのは、他人の力を借りることに長けていること、より重要なことに時間を使う嗅覚を持っていることが共通点としてあげられます。

  起業したてのときは特にそうですが、充分な資金がない状態であるがゆえに、積極的に外部専門家を活用することに躊躇される方がいらっしゃいます。しかし、そんなときだからこそ、あなたにしかできないことに時間を使っていただき、少しでも早く売上が立つように、そしてスムーズなスタートダッシュが切れるように、外部専門家の活用を考えてみてはいかがでしょうか。


新会社法による会社の分類

  平成18年5月の会社法制定(いわゆる新会社法)により、会社設立に関することが、大きく変化しました。まず、会社の種類を簡単に説明しますと、下図のようになります。
 

従来→新会社法
株式会社→株式会社
有限会社→設立できず
合名・合資会社→合名・合資会社
LLC(合同会社)
LLP(有限責任事業組合)
 
  大きな特徴としてあげられるのは、

1.有限会社の設立ができなくなった。
2.LLC(合同会社)、 LLP(有限責任事業会社)が設立できるようになった。

ことがあります。会社の設立・運営にあたっての自由度が増したと考えていただければよろしいかと思いますが、その分、しっかりと選択する必要があります。
 
※LLC : Limited Liability Company
 LLP : Limited Liability Partnership
 
LLC(合同会社)、 LLP(有限責任事業組合)とは

  LLC(合同会社)の特徴は、
 
1.有限責任であること(株式会社と同様)
2.会社運営に対する自由度が高いこと

があげられます。

  有限責任とは、例えば会社で大きな赤字を抱えたとしても、すべての社員(株主)は、出資した以上の責任を負う必要がありません。これが、合名・合資会社の場合、無限責任社員を定めなければならず、会社で抱えた借金は、自分の私財を投げ打ってでも返さなければならないという責任の重さから、合名・合資会社を設立する人が少ないという現状がありました。

  会社の運営への自由度については、例えば、株式会社では監査機関を設置する必要があったり、剰余金の配当や議決権等が株式の持分比率で定められていたりと、いろいろな規制があったのに対し、原則として自由に運営していいことになりました。これにより、金銭による出資ができない人でも、会社の利益を充分に享受することが可能になるなどのメリットが出てまいります。

  全体として、出資者の負担が低減すること、自由に会社を運営できることから、起業を促進するものと考えられています。

  一方、LLP(有限責任事業組合)に関しては、大雑把に理解するには、いわゆる「法人格」が適用されないLLC(合同会社)と考えていただければいいかと思います。LLPは、会社ではなく組合形態になります。LLPのメリットとしては、法人格がないため、利益に対しては出資者に直接課税となり、法人税がかからないことがあげられます。
 

有限会社はどうなる?


  有限会社は、新規設立ができなくなりました。これまでの有限会社は、特例有限会社としてそのまま存続します。現在の有限会社に対しては、株式会社への移行を勧める専門家が多いようです。

  従来から、株式会社と有限会社を比べると、株式会社のほうが信用力が高いこと、それにも関連し、資金調達が比較的容易となることなどから、株式会社にしたほうがいいという見解がありました。しかし、例えば資金調達をあまり必要としない事業を展開されている企業や、事業拡大よりも小さなオンリーワン企業を目指すような場合においては、必ずしも株式会社にすることがいいとは限りませんでした。

  これからは、新たに有限会社を設立できなくなったことから、有限会社を冠することは歴史を感じさせ、場合によってはそのまま有限会社であり続けることも選択肢の一つになっています。
  
  いずれにしても、しっかりと事業領域、事業計画を踏まえて検討する必要があります。
 

株式会社を設立するには?

  株式会社設立のための要件は、新会社法により緩和されています。

大きな点としては、

1. 最低資本金の制限が撤廃された。
2. 取締役3人、監査役1人が必要だったが、新会社法では取締役1人のみで
  株式会社設立が可能となった。

ことがあげられます。

  資本金については、その制限が撤廃されており、従来は1,000万円必要だった資本金が、現在では1円でも株式会社とすることができるようになっています。

  取締役については、従来、特に零細企業において、家族や友人に頼んで名義だけ借りて株式会社の設立をすることがよくありましたが、これからはそれも不要となります。また、取締役会設置の義務がなくなったりと、株式会社に対する規制が緩和されています。

  他にも、類似商号規制の撤廃や役員任期が10年まで延長できることになったりと、いくつもの変更点がありますので、詳しくはお問い合わせください。