ちょっとした情報のお届け

<2024年4月>
 相変わらず国内外ともに混とんとした情勢で、先の見通しを立てるのも困難な状況が続いています。そんな中、新年度に入りいろいろ制度にも変化が出ていますので、今回は、4月1日施行の法改正をご紹介したいと思います。
 ○ 民法(親族編)
子が生まれた時期によって法律上の父を推定する「嫡出推定」を、離婚から300日以内に生まれた子でも女性が再婚している場合は再婚後の夫の子と推定し、婚姻から200日以内に生まれた場合も婚姻中の夫の子と推定する。また、子や母が父子関係を否定する訴えを提起することを可能とするとともに、100日間の女性の再婚禁止期間を廃止する。母が出生届を出さずに子が無国籍になる事例が、700人超(2024年2月時点)あった。
 ○ 不動産登記法
これまで、相続があってもその登記は義務付けされていなかったが、相続によって不動産を取得した相続人は、その所有権を取得したことを知った日から3年以内に相続登記の申請をしなければならなくなる。所有者が直ちに判明しない土地や、所有者が判明してもその所在が不明で連絡が付かない土地の解消に向けての法改正の一環。
 ○ 配偶者暴力防止法(DV防止法)
これまで、配偶者から身体的暴力と生命や身体に対する脅迫(身体的DV)があった場合に限って保護対象にしていたものに、自由、名誉、財産に対する脅迫(精神的DV)が追加された。相談窓口事業で受け付けた相談の約6割が、精神的DVとみられる行為を含む内容だった。

(鈴木:記)

<2024年3月>
 弊事務所では、外国人にかかわる業務を行っています。その中に、技能実習や特定技能というものがありますが、皆さま報道でもご承知のように、現在、この二つの制度を改めようという議論があります。実際に改正法が施行されるのは何年か先なので、今回は、今の制度下での外国人雇用に関する助成金をご紹介したいと思います。

 ○ 人材確保等支援助成金(外国人労働者就労環境整備助成コース)
外国人特有の事情に配慮した就労環境の整備を行い、外国人労働者の職場定着に取り組む事業主に対して、その経費の一部を助成する。支給額は、賃金要件を満たした場合は、支給対象経費の2/3 (上限額72万円)、賃金要件を満たしていない場合は、支給対象経費の1/2 (上限額57万円)。
 ○ 助成金受給のための要件
1) 就労環境整備計画を作成し、労働局長の認定を受ける ⇒ 2) 認定された計画に基づき、就労環境整備措置を導入し実施する ⇒ 3) 離職率目標を達成する。
 ○ 助成金の対象となる就労環境整備措置
必須メニューとして、雇用労務責任者の選任、就業規則等の社内規程の多言語化があり、選択メニューとして、苦情・相談体制の整備、一時帰国のための休暇制度、及び社内マニュアル・標識類等の多言語化がある。

(鈴木:記)
<この助成金申請は、行政書士業務ではありません。>

<2024年2月>
 今年は、能登半島地震で始まってしまいました。被災された方のご冥福とお見舞いを申しあげます。今回はこの災害を一つの教訓とするためにも、「事業継続力強化計画認定」制度をご案内いたします。

 ○ 制度の概要
中小企業が策定した事業継続計画(BCP)を「事業継続力強化計画」として経済産業省が認定するもので、認定された企業は、広報や販売活動に認定のロゴマークを使用することができる。自社のみの単独型と複数事業者間で連携して計画する場合の連携型がある。
 ○ 計画の策定
STEP1 事業継続力強化の目的の検討、STEP2 災害等のリスクの確認・認識、STEP3初動対応の検討、STEP4 人・物・金・情報への対応、STEP5 平時の推進体制を通じて、自然災害(地震・洪水)、感染症、サイバー攻撃及び全脅威共通の取組みについて計画策定を行う。
 ○ 認定のメリット
認定された企業は、1) 低利融資や信用保証枠の拡大等の金融支援、2) 中小企業防災・減災投資促進税制による対象減価償却資産の特別償却、3) 各種補助金の加点措置、4) 損害保険料等の割引が受けられる。

(鈴木:記)

<2024年1月>
 弊事務所では時々会社設立の依頼を受けるのですが、特に会社法の施行(平成18年5月1日)後、すごくその手続きが変化してきました。今回は、最近の動向を中心にご案内したいと思います。

 ○ モデル定款により定款認証撤廃
現在は電子定款でも、公証役場で定款認証が完了するのに依頼日から約7日かかっているものを、国が用意するモデル定款に必要事項を入力して作成した電子定款に電子署名を施す事により、公証人の認証を撤廃してはどうかという議論が、日本経済再生本部でなされている。
 ○ 代表者住所の非公開
会社の登記の際に、経営者や起業家のプライバシーの保護を目的として、代表者が希望すれば自宅の住所を非公開にできるようにするもので、2024年6月3日施行の予定となっている。パブリックコメントの募集が、1月25日23時59分まで行われている。
https://public-comment.e-gov.go.jp/servlet/Public?CLASSNAME=PCMMSTDETAIL&id=300080305&Mode=0
 ○ スタートアップ起業者向け定款認証の特別処理
1月10日から東京都及び福岡県において、定款作成支援ツールを使用して公証人の定款認証を受ける場合は、原則48時間以内に認証手続を完了させるもので、試行的に運用を開始する。
https://www.koshonin.gr.jp/news/nikkoren/startup.html

(鈴木:記)

<2023年12月>
 先日、事務所のサイバーセキュリティへの対策を強化しました。サーバーを業務用の強力なものにグレードアップし、その他の機器も導入しましたので、クライアントの皆さまにも、もう少し安心して頂けるようになったかなと思います。その中身をカタログからではありますが、一部ご紹介すると次のようになります。

 ○ データを安全に管理
1)ファイルをHDD2基に分散保存し、万一その内の1基が故障してもデータを保護する。
2)システム(OS)に障害が発生しても自動的にサブOSが起動して、通常運用しながら不具合OSを自動修復し、停電になった場合でもバッテリーで稼働し続けることが可能になる。
3)ファイルを自動バックアップ(リアルタイム・スケジュール)し、ログも自動保存していつ誰がどのファイルを操作したのかアクセス履歴を管理する。
 ○ データを有効活用
1)VPNルータを利用して、テレワークの時も自宅からセキュリティを保って事務所のPCを操作することができる。
2)複数回パスワードの入力に失敗すると、その端末からの接続をブロックする。
3)データは、サーバー以外もう1基のUSB外付けHDDにもバックアップを取る。
4)PCをチューニングし、不要なログをクリーニングしてPCの動作の軽快化を行い最適化する。
 ○ 保険型データ復旧でデータ保護を強化
1)万一データが読めなくなった場合にも、データ復旧サービスを利用できる。

(鈴木:記)

<2023年11月>
 先日、デジタル庁から「テクノロジーマップ」というものが発表されました。アナログ規制の見直しやデジタル技術の活用を検討する際の参考情報への『入り口』という位置づけだそうです。その中から「対面で講習を実施する」規制について、どのようにデジタル化するのか、IPOモデル(Input→Process→Output)を見てみます。

 ○ Input画像等のデータをセキュアに取得し、遠隔地に提供
データ取得機能:カメラ(画像・動画・衛星画像)、マイク(音声)、オンライン手続き(入力情報)、電子文書作成(電子文書)、オンラインテキストコミュニケーション(電子メール、チャット履歴)、オンライン行動・遠隔操作(アクセスログ)、オンライン会議(会議履歴)、台帳・データベース作成(属性情報)
セキュリティ・トラスト機能:物理セキュリティ・ネットワークセキュリティ(ファイヤーウォール,VPN、暗号化)、プライバシー向上技術・PETs(個人情報匿名化、秘密計算)、利用者の認証(多要素認証、生体認証、eKYC)、情報の真正性の証明・責任追跡性(電子署名、電子透かし、NFT)
データ伝達機能:近接無線技術(NFC、Bluetooth、無線LAN)、有線通信(公衆回線、光ファイバー網)、遠隔無線通信(衛星・電波通信、LPWA、5G)、ストレージ(クラウドストレージ、オンプレサーバ)
 ○ Process画像等の取得データの解析、評価等の判断を自動化・機械化
認識機能:文字認識(OCR)、音声認識(Speech-to-Text、音響分析)
解析・予測機能:文章解析(形態素解析、構文解析、意味解析、文脈解析)、検索・翻訳、集計・統計・数理解析、分類(亀裂検出、異常検出、情報自動ラベル付け)
自律機能:画像生成・動画生成、文章生成・要約、オンライン学習
 ○ Output事態対処の遠隔化、自動化
対応機能:電子的な情報通知(デジタルサイネージ、xR、スマートグラス、メタバース)、オンライン証明書の発行、システムの遠隔制御

(鈴木:記)

<2023年10月>
 先日、国土交通省の「今後のマンション政策のあり方に関する検討会」の説明を聴く機会がありました。そこから多くの情報を入手することができたのですが、『マンションを取り巻く現状』について、気になった部分を一部ご報告させていただきます。

 ○ 区分所有者の高齢化・非居住化・管理組合の担い手不足
築40年以上のマンションでは、世帯主が70歳以上の住戸の割合が半数近くにのぼり、また所有者の所在不明や連絡先不通の空室が、高経年マンションほどその割合が高くなる傾向にある。そんな状況で管理組合の担い手不足が起こり、管理業者による第三者管理が年々増加している。 ⇒適切かつ必要なマンション管理が、ますます行いにくくなってきている。
 ○ 修繕積立金の不足
マンションの長寿命化を図るには、適切な長期修繕計画の作成と計画的な修繕積立金の積立が必要となるが、修繕積立金の残高が計画に対して不足していないというマンションは約1/3で、約半数が長期修繕計画の定期的な見直しを行っていない。さらに、修繕積立金の積立方式について、「段階増額積立方式」を採用している管理組合の割合が増加傾向にある。 ⇒今後計画の見直しを行うことにより修繕費が膨れ、積立額も増やさざるを得なくなる。
 ○ 管理適正化のための指導・助言等
マンション政策の担当として専任の職員を配置している地方公共団体は限定的であり、管理組合等からの相談に応じ、助言や指導等を行う専門家として2001年に創設されたマンション管理士も、活動を行っている者は全体の1割強である。 ⇒管理会社に属さないマンション管理士(当職もその一人)は第三者性・中立性が特徴であるが、専門性の向上や高い倫理規範が必要になっている。

(鈴木:記)

<2023年9月>
 以前、入管法改正についてご案内させていただいたことがありましたが、日本の人口減少や人手不足解消に対応するため、現在国で検討されているいくつかの情報を入手しましたので、皆さまにご紹介したいと思います。

 ○ 日系四世受入れ制度の見直し
戦前、移民として海外に移住した日本人は、現在もそれぞれの国で活躍されている。そこで、日本と現地日系社会との結び付きを強める架け橋になる人材を育成するとの目的で、日系四世を日本に受入れる制度があるが、実績は128人(2022年末)に留まっている。
そこで制度見直しが検討され、これまで在留期間が最長5年だったものを「定住者」として長く在留できるようにし、そうすることによって家族の帯同も可能にしていくというもの。

 ○ 外国人留学生の就職に係る在留資格
現在、大学の卒業生は、専攻科目と得ようとする在留資格の業務との関連性について、教育機関としての性格を踏まえて柔軟に判断される一方、専修学校は、職業等に必要な能力を育成すること等を目的としていることから、相当程度の関連性が必要となっている。
そこで専修学校でも、大学と同様の基準で判断できるよう考慮していこうというもの。

 ○ 技能実習制度及び特定技能制度の在り方
検討の視点を「我が国の人手不足が深刻化する中、外国人が日本の経済社会の担い手となっている現状を踏まえ、外国人との共生社会の実現が社会のあるべき姿であることを念頭に置き、その人権に配慮しつつ、我が国の産業及び経済並びに地域社会を共に支える一員として外国人の適正な受入れを図ることにより、日本で働く外国人が能力を最大限に発揮できる多様性に富んだ活力ある社会を実現するとともに、我が国の深刻な人手不足の緩和にも寄与するものとする必要がある。」としている。
現在、関係閣僚会議の下、有識者会議で議論が行われている。
(鈴木:記)

<2023年8月>
 今回は、行政書士の宣伝になってしまうかも知れませんが、少し行政書士の権利擁護に関する取り組みについてご紹介致します。いずれも、日本行政書士会連合会が制定したもので、私も同様に考えています。

 ○ 基本理念
行政書士は、基本的人権を尊重し、すべての人の権利を擁護するとともに、調和と真心をもって国民の生活向上と社会の繁栄進歩に貢献することを使命としています。
また、「国民の権利利益の実現に資する」という行政書士制度の目的に鑑み、行政書士の社会的役割を強く自覚し、地域に根差した権利擁護の取り組みを通じて、すべての人の権利が尊重される共生社会の実現に寄与します。

 ○ 活動方針
行政書士として行う権利擁護活動のあり方を内外に示し、行政書士の法律専門職としての信頼をより強固なものとなるように努めます。
そして、高齢者、障がい者、子ども、外国人、女性、性的マイノリティ(LGBT等)に対する分野を重点活動領域とし、次の行動指針により、すべての人の権利が守られる健全な共生社会の実現に貢献します。

 ○ 行動指針
(1)国民に対する権利擁護に関する普及啓発活動を積極的に展開します。
(2)行政書士の権利擁護への関与についての調査、研究及び周知等を行います。
(3)権利擁護を推進するための提言と関係団体等との連携を行います。
(鈴木:記)

<2023年7月>
 今年の通常国会も閉幕し多くの法律が制定されましたが、行政書士として関連性が高いのは入管法の改正(法律第56号)です。そこで今回は、この改正入管法の要点をご案内します。

 ○ 現行入管法の課題
a) 退去すべきことが確定したにもかかわらず退去を拒む外国人が増加(R4.12末で前年比31%増)し、難民認定手続中は送還が一律停止されることに着目し、難民認定申請を繰り返すことによって退去を回避しようとする者がいる。b) 退去すべきことが確定した外国人については、原則として退去までの間、収容施設に収容することになっており収容が長期化する。c) 難民認定には、難民条約上5項目の「難民」のいずれかに該当することが必要となるが、紛争避難民などは難民とはならず確実に保護する制度がない。

 ○ 改正法の基本的な考え方
1) 保護すべき者を確実に保護する。2) その上で、在留が認められない外国人は、速やかに退去させる。3) 退去までの間も不必要な収容はせず、収容する場合には適正な処遇を実施する。

 ○ 改正法の概要等
ア) 難民に準じて保護すべき外国人を「補完的保護対象者」として認定し、安定した在留資格(定住者)で在留できるようにする。イ) 難民認定手続中の送還停止効に例外を設け、3回目以降の難民認定申請者、3年以上の実刑に処された者、テロリスト等については、難民認定手続中であっても退去させることを可能とする。ウ) 個別事案ごとに収容の要否を見極め、監理人の監理の下で収容しないで退去強制手続を進める「監理措置」制度を設ける。
(鈴木:記)

<2023年6月>
 この前、ChatGPTを試してみたことをご紹介しましたが、今度はBardを使ってみました。同じ質問をしてみたところ、それなりに違いはありましたが、どちらも優秀だなと感じました。これから行政書士の業務にどう活かせるか、私の課題です。

 ○ Bardが日本語に対応
Googleが試験運用中のサービスで、大規模言語モデルLLM(Large Language Model)であるPaLM2を利用し、文章の中で次に来る確率の高い単語を予測することを学習していくだけでなく、確率が多少低くてもそれなりに妥当な選択肢を選ぶ柔軟性も与えられている。
    https://bard.google.com/?hl=ja

 ○ 地球から月までの距離は
地球から月までの平均距離は、約384,400キロメートルです。・・・

 ○ 日本の総理大臣は誰
日本の現在の総理大臣は岸田文雄です。・・・

 ○ AIはどんな働き方をするの
AIは、現在、様々な分野で働き方を変えつつあります。例えば・・・

 ○ 明日の天気は
明日の天気は、東京都心は・・・

 ○ 今日は何の日
今日は、2023年◯月◯日(◯曜日)です。

 ○ 行政書士記念日はいつ
行政書士記念日は毎年2月22日です。・・・ ⇒ 正解です!

といった具合でした。
(鈴木:記)

<2023年5月>
 大阪IR(Integrated Resort)が、4月14日に国交大臣より認定を受けました。IR=カジノと言われますが、府・市の計画とそれに対する反対意見をご紹介します。

 ○ 大阪IRの施設
大阪IR㈱が施設の整備・運営を行い、MGMリゾーツ・インターナショナル(アメリカ)の知見やノウハウを最大限活かし、責任あるカジノの取組を着実に実施する。年間の経済波及効果は近畿圏で約1兆1,400億円、約9.3万人の雇用創出効果を見込んでいる。一方、この事業では売上の8割をカジノからのものとし、国外からの来訪者を約600万人と見込んでいるが、アジアだけでもシンガポール、マカオ、フィリピン、韓国のIRとの競争が激しくなってくる。

 ○ ギャンブル等依存症対策
最先端のICT技術等を活用して取り組み、入場等回数制限、本人確認、日本人等は入場料6,000円の賦課、申出による利用制限措置等が行われる。これに対し、韓国では自国民の利用を制限しており、パチンコ等によるギャンブル大国と言われる日本においては、既に成人の2.2%が依存症だと疑われている。

 ○ 治安・地域風俗環境対策
府は警察力の強化を図り、事業者も対策を施すとしているが、特殊詐欺で得た資金をカジノで洗浄していたという事件が以前発覚し、マネーロンダリング対策が本当に出来るのか心許なく、ギャンブルと言えば反社会的勢力との関係も問題となる。

 ○ 自然災害対策
この整備区域は大阪湾の夢洲にあり、南海トラフ巨大地震が心配されるが、津波や高潮の想定高さに対しては、大阪湾の最低潮位O.P.+11m程度と十分な地盤高さを確保している。しかし、これでは対応が不十分だとの見解もある。
(鈴木:記)

<2023年4月>
 少し硬い話で恐縮ですが、この度総務省から、「行政書士が業として財産管理業務及び成年後見人等業務を行うことについて」(総行行第84号 令和5年3月13日)という通知が出されました。行政書士の業務について、広く知ってもらうためのものです。超高齢社会となった我が国において、成年後見人や不在者財産管理人、相続財産管理人等を必要とする方に、行政書士は寄り添うことができます。

 ○ 財産管理業務の例
行政書士法に規定する業務として行われる相続財産目録、遺産分割協議書、公正証書遺言書等の作成等に関連して管財人等に就き、民法等の規定に基づき当該管財人等として行う相続財産の調査等が挙げられる。

 ○ 成年後見人等業務の例
行政書士法に規定する業務として行われる財産目録、各種契約書等の作成等に関連して後見人等に就き、民法等の規定に基づき当該後見人等として行う成年被後見人の財産調査等が挙げられる。

 ○ 行政書士法1条の2 (業務)
官公署に提出する書類の作成、権利義務に関する書類・事実証明に関する書類の作成

 ○ 行政書士法1条の3 (業務)
官公署に提出する手続の代理、契約その他に関する書類の代理人としての作成、相談業務 (第2号の業務を除く)
(鈴木:記)

<2023年3月>
 最近ネットやメディアで話題になっているのがChatGPTですが、皆さまの中で使ってみたという方はいらっしゃいますか?  私も試してみたというよりも遊んでみましたので、今回はそれを少しご紹介したいと思います。

 ○ 対話のための言語モデルの最適化
アメリカのOpenAIという企業が2022年11月に公開したサービスが、このChatGPTという対話型人工知能AI。AIが膨大な文書データを学んでいて、様々な質問に回答し、日本語でも利用できる。しかも無料で。https://openai.com/blog/chatgpt/

○ 地球から月までの距離は
地球から月までの距離は、平均的には約38万4000km程度です。・・・

 ○ 日本の総理大臣は誰
現在の日本の総理大臣は、岸田文雄(きしだふみお)です。・・・

 ○ AIはどんな働き方をするの
AI(人工知能)は、人間が行っている様々な作業を自動化するために開発されて・・・

 ○ 明日の天気は
申し訳ありませんが、私はAIアシスタントであり、現在の情報を持っていません。・・・

 ○ 今日は何の日
申し訳ございませんが、本日が何の日かは私にはわかりません。

 ○ 行政書士記念日はいつ
行政書士記念日は、毎年11月10日です。・・・ ⇒ 正しくは2月22日なのですが!

 といった具合でした。
(鈴木:記)

<2023年2月>
 登記所(法務局)の業務は、主として不動産登記と商業・法人登記が挙げられますが、今はその多くが電子化(コンピューター化)されています。今回、不動産登記制度における備付地図の電子データが、G空間情報センターを通じて一般に無償公開されましたので、その制度についてご紹介いたします。

 ○ 登記所備付の電子データとは
登記所の備付地図は、土地の位置・区画(筆界)を明確にするために備え付けられた地図で、一般に公図と言われているものを含んでいる。それが地図XMLフォーマットの形式で地図情報システムに入力され、データは加工可能なものになっている。

 ○ G空間情報センターとは
産官学の各主体が保有する多様な地理空間情報を集約し、利用者がワンストップで検索・閲覧し、情報を入手できる仕組みの構築を目指すデータ流通支援プラットフォームで、一般社団法人社会基盤情報流通推進協議会が運用している。https://front.geospatial.jp
今回公開されたデータは、登記所備付地図データコンバータでGeoJSON形式に変換しなければならない。
https://www.geospatial.jp/ckan/dataset/xml2geojson

 ○ 地図証明書と公開される地図データとの関係
登記所では、地図証明書・図面証明書として地図等の内容を証明しているが、今回の公開される地図データは当該データを加工するなどして利活用する事を目的とするもので、登記所における証明機能は有していない。登記所が証明した地図は、これまで通り手数料が必要となっている。現在公開された地図データは、令和4年1~2月のデータを抽出した情報で、今後は年1回程度のデータ更新を予定している。
(鈴木:記)

<2023年1月>
 今年も多くの法律が公布・施行されますが、4月27日施行の法律に「相続等により取得した土地所有権の国庫への帰属に関する法律」(相続土地国庫帰属法)があります。相続や遺贈で取得した土地を手放して国庫に帰属させる制度で、相続したくない土地は国に譲渡ができるようになります。この手続きを代行する専門家として、行政書士が弁護士・司法書士とともに法務省から認定されました。今回は、この新しい制度についてご紹介いたします。

 ○ 背 景
土地利用ニーズの低下等により、土地を相続したものの、望まずに取得した所有者の負担感が増して管理の不全化を招き、土地を手放したいと考える者が増加している。そこで、将来的に土地が所有者不明化し、管理不全化することを予防する制度を創設した。

 ○ 要 件
通常の管理又は処分をするに当たり過分の費用又は労力を要する土地に該当しない。
  ・建物や通常の管理又は処分を阻害する工作物等がある土地
  ・土壌汚染や埋設物がある土地 ・崖がある土地
  ・権利関係に争いがある土地 ・担保権が設定されている土地
  ・通路など他人によって使用されている土地  などは却下、不承認要件となる。

 ○ 負担金等
審査手数料のほか、土地の性質(地目、面積、周辺環境等の実情)に応じた標準的な管理費用を考慮して算出した10年分の土地管理費相当額の負担金の納付が必要となる。

 ○ 申請権者
相続又は遺贈(相続人に対する遺贈に限る。)により土地の所有権又は共有持分を取得した者等が申請権者となる。
(鈴木:記)

<2022年12月>
 先日、大阪の病院が身代金要求型コンピューターウイルス「ランサムウエア」によるサイバー攻撃を受けて、システム障害が発生しました。そこで今回は、IPA独立行政法人 情報処理推進機構が提供している各種ツールをご紹介いたします。

 ○ 5分でできる!情報セキュリティポイント学習
情報セキュリティについて1テーマ5分で勉強でき、身近にある職場の1コマを取り入れた親しみやすい学習テーマで、セキュリティに関する様々な事例を疑似体験しながら適切な対処法を学ぶことができる。
https://security-shien.ipa.go.jp/learning/index.html

 ○ 5分でできる!情報セキュリティ自社診断
情報セキュリティ対策のレベルを数値化し、問題点を見つけるためのツールで、情報セキュリティ対策を把握することができる。
https://www.ipa.go.jp/security/keihatsu/sme/guideline/5minutes.html#5min-shindan

 ○ 情報セキュリティ対策ベンチマーク
組織の情報セキュリテマネジメントシステムの実施状況を、自らが評価する自己診断ツール。
https://security-shien.ipa.go.jp/diagnosis/benchmark/index.html?bm_id=1

 ○ サイバーセキュリティ経営可視化ツール
サイバーセキュリティの実践状況を企業自身がセルフチェックで可視化するためのツールで、自社のサイバーセキュリティ対策状況を定量的に把握することで、サイバーセキュリティに関する方針の策定、適切なセキュリティ投資計画の策定等が可能となる。
https://www.ipa.go.jp/security/economics/checktool/index.html
(鈴木:記)

<2022年11月>
 皆さまご存じの通り、2025年に大阪市此花区の夢洲で、日本国際博覧会(大阪・関西万博)が開催されます。テーマは「いのち輝く未来社会のデザイン」ですが、この万博開催に先立ち、特別仕様(図柄入り)の自動車ナンバープレートの交付が始まりました。今回は、このナンバープレートについて紹介いたします。

 ○ デザインコンセプト等
2025年大阪・関西万博の開催を胸躍らせながら、今から楽しみにしていただきたい。閉幕後も、万博での感動が貴重な思い出となり、多くの人々の心の中で走り続けてほしい。

 ○ 交付期間・申込み
令和4年10月24日(月)~令和7年12月26日(金)が交付期間となっており、全国からディーラー、整備工場、行政書士のほかWEBでも申込みができる。
https://www.graphic-number.jp/html/GKAA0101.html

 ○ ナンバープレートの種類
自家用登録車、事業用登録車、自家用軽自動車の3車種で、1,000円以上の寄付があればフルカラー版のナンバープレートが、寄付がなければモノトーン版のナンバープレートが交付される。

 ○ 申込みのタイミング
新車・中古車購入時のほか、現在使っている車と同じ番号(分類番号が二桁の場合等を除く)で、いつでも特別仕様ナンバープレートに交換することができる。
(鈴木:記)

<2022年10月>
 今月からコロナ禍で制限されてきた入国者数の上限が撤廃され、日本に在留する外国人も増えてくることでしょう。3年前に、新しく「特定技能」という在留資格が誕生しましたが、これは初めて人手不足に対応した外国人の受入制度となっています。ここでは、出入国在留管理庁の資料(R4.6末現在)を基に、現状をご紹介いたします。

 ○ 特定産業分野
現在は、1 介護、2 ビルクリーニング、3 素形材・産業機械・電気電子情報関連製造業、4 建設、5造船・舶用工業、6 自動車整備、7 航空、8 宿泊、9 農業、10 漁業、11 飲食料品製造業、12 外食業の各分野で、その受入人数は11、3、9、1、4、12の順になっている。

 ○ 在留資格
特定技能1号:特定産業分野に属する相当程度の知識又は経験を必要とする技能を要する業務に従事する外国人向けの在留資格で、通算5年の在留期間を上限とする。
 特定技能2号:特定産業分野に属する熟練した技能を要する業務に従事する外国人向けの在留資格で、在留期間の更新に上限を付さない。

 ○ 国籍・地域別特定技能在留外国人数 計87,472人
ベトナム 52,748 (60.3%)、インドネシア 9,481 (10.8%)、フィリピン 8,681 (9.9%)、中国 6,144 (7.0%)、ミャンマー 4,107 (4.7%)、カンボジア 1,872 (2.1%)、タイ 1,793 (2.0%)

 ○ 都道府県別特定技能在留外国人数 計87,472人
愛知県 8,012 (9.2%)、千葉県 5,019 (5.7%)、埼玉県 4,991 (5.7%)、大阪府 4,990 (5.7%)、茨城県 4,939 (5.6%)、神奈川県 4,335 (5.0%)、東京都 4,204 (4.8%)、北海道 3,677 (4.2%)、兵庫県 3,431 (3.9%)、広島県 3.389 (3.9%)
(鈴木:記)

<2022年9月>
 9月に新しく施行された法律に 『重要施設周辺及び国境離島等における土地等の利用状況の調査及び利用の規制等に関する法律』(重要土地等調査法)があります。賛否両論があるようですが、ここでは、この法律のご紹介を簡単にいたします。

 ○ 注視区域・特別注視区域の指定 (土地等利用状況審議会の意見を聴く)
重要施設(自衛隊、アメリカ軍、海上保安庁関係施設等)の周囲おおむね1kmの区域内及び国境離島等の区域内の区域で、その区域内にある土地等(土地及び建物)が機能阻害行為(重要施設や国境離島等の機能を阻害する行為)の用に供されることを特に防止する必要があるものを、注視区域として指定する。また、重要施設や国境離島等の機能が特に重要、又はその機能を阻害することが容易で、他の重要施設や国境離島等によるその機能の代替が困難である場合は、注視区域を特別注視区域として指定する。

 ○ 土地等の利用状況の調査 (国による買取り制度もある)
注視区域・特別注視区域内の土地等を利用して機能阻害行為が行われることを防止するため、それらの土地等の利用状況を調査する。

 ○ 特別注視区域内における届出 (内閣総理大臣に届け出る)
特別注視区域内にある土地等に関する所有権等の移転又は設定をする契約を締結する場合には、契約の当事者に、届出を求める。

 ○ 土地等の不適切な利用の規制 (従わない場合は罰則がある)
注視区域・特別注視区域内の土地等を利用して機能阻害行為が行われた場合等に、土地等の利用者に対し、必要な措置を取るべき旨の勧告・命令を行う。
(鈴木:記)

<2022年8月>
 行政書士会では、総務省からの委託事業として、『マイナンバーカード代理申請手続事業』 を行っています。6月から 『マイナポイント第2弾』 が実施されていますが、皆さまはもうマイナポイントを獲得なさいましたか? 今回は、あまり話題になることのなかった、マイナンバーカードの安全性についてご紹介いたします。

 ○ 制度面の保護措置
法律に規定があるものを除いて、マイナンバーを含む個人情報を収集したり保管したりすることは禁止されており、第三者機関である個人情報保護委員会が監視・監督をし、法律に違反した場合は重い罰則が科されることになる。そして、マイナンバーを提供する際には、マイナンバーと身元の確認を義務付けてなりすましを防ぎ、マイナポータルで行政機関同士がやりとりした個人情報の履歴を確認できるようになっている。

 ○ システム面の保護措置
個人情報を一元管理するのではなく、各情報は分散して管理されており、行政機関の間で情報連携する際にも、マイナンバーを直接使わず、専用の符号を用いるようにしている。また、システムにアクセスできる人を制限するとともに、通信の際には暗号化を図っている。

 ○ セキュリティ対策
マイナンバーカードのICチップには、住所・氏名・生年月日・性別のほか、必要最低限の情報のみ記録されており、税や年金、預金残高、薬剤情報の履歴など、プライバシー性の高い個人情報は記録されていない。そして、ICチップ内のアプリを利用するためには、アプリごとに異なる暗証番号の入力が必要であり、一定回数間違うとロックがかかるほか、ICチップから不正に情報を読み取ろうとした場合には、チップが壊れる仕組みになっている。また、マイナンバーカードが他人の手に渡っても、利用するには顔写真での本人確認等が必要のため、悪用することはできず、マイナンバーカードの紛失・盗難による一時利用停止については、24時間365日、マイナンバー総合フリーダイヤル(0120-95-0178)で受け付けをしている。
(鈴木:記)

<2022年7月>
 総務省から、『令和3年通信利用動向調査の結果』 が発表されました。今や個人も企業も、情報通信の利用がなくてはならない時代になっていますが、一方でデジタル・ディバイド(情報格差)が問題になっており、行政書士もその解消のお手伝いをしています。今回は、この調査結果をご紹介いたします。

 ○ 情報通信機器の普及状況
スマートフォンを保有している世帯の割合が堅調に伸びており(88.6%)、パソコン(69.8%)・固定電話(66.5%)を保有している世帯の割合を上回っている。個人でのスマートフォンの保有状況は増加傾向にある一方、携帯電話(スマートフォンを除く)の保有状況は減少傾向にある。

 ○ インターネットの利用動向
インターネット利用者の割合は、13~59歳の各年齢階層で9割を超えている。個人のインターネット利用機器は、スマートフォンがパソコンを上回り、20~49歳の各年齢階層で約9割が利用している。

 ○ SNSの利用動向(個人)
SNSを利用している個人の割合は、ほぼ全ての年齢階層で増加し、特に60~79歳の各年齢階層での伸びが大きい。利用目的では、「従来からの知人とのコミュニケーションのため」の割合が最も高い。

 ○ クラウドサービスの利用状況(企業)
クラウドサービスを利用している企業の割合は上昇傾向が続き、7割に達している。利用用途は、「ファイル保管・データ共有」や「電子メール」が、利用する理由は、「場所、機器を選ばずに利用できるから」や「資産、保守体制を社内に持つ必要がないから」が多い。利用の効果については、利用企業の約9割が「非常に効果があった」又は「ある程度効果があった」と回答している。
(鈴木:記)

<2022年6月>
 先月、首相の諮問機関である規制改革推進会議から、『規制改革推進に関する答申』 が発表されました。~コロナ後に向けた成長の「起動」~ と、副題が付けられています。今回はその中から、行政手続に関する部分を一部ご紹介いたします。

 ○ 情報連携基盤の整備 a、b
法務省は、デジタル庁と連携し、法令において登記事項証明書の添付が求められている全ての行政手続において、原則として登記事項証明書の添付を不要とすることができるよう・・・可及的速やかに登記事項証明書の添付省略を実現する。
法務省は、デジタル庁を始めとする関係府省と連携し、戸籍謄抄本の添付を求める全ての行政手続において、原則として添付を不要とすることができるよう、必要な取組を行う。

 ○ 地方公共団体等と事業者の間の手続の標準化・デジタル化 d
総務省は、地方公共団体の入札参加資格審査申請から見積書の提出、契約の締結や請求書の提出までの調達に関する一連の手続が地方公共団体ごとに異なっていることが地域をまたいで活動する事業者等に大きな負担となっており、この一連の手続(地方公共団体側のものを含む。)を標準化・デジタル化すべきとの意見を踏まえ、・・・競争入札参加資格審査申請に係る標準項目の活用及び電子申請システムへの反映、見積書や請求書等の支出根拠書類の押印見直しについて促す。

 ○ 行政手続におけるオンライン利用率を大胆に引き上げる取組の推進 b
法務省は、戸籍謄抄本の申請手続におけるオンライン利用率引上げの取組を進めるに当たり、オンラインによる士業者からの職務上請求を導入することができるよう、市区町村、関係府省、士業団体等の関係者の意見を聴き、できるだけ速やかに結論を出す。
(鈴木:記)

<2022年5月>
 行動制限のない日が続くようになりましたが、コロナの影響を受けた事業者への支援は、まだまだ必要とされています。どんなものがあるのか分からないという声を多く聞きますので、現行制度を一部ですがご紹介いたします。

 ○ 事業復活支援金
2021年11月から2022年3月までの期間における影響を緩和して、事業の継続及び立て直しのための取組を支援します。申請は5月31日までで、登録確認機関の事前確認を受ける必要があります。弊事務所も、その登録確認機関となっています。この支援金は、給付対象者として登録されれば、事業収入の減少額を基準に算定した額が給付されます。

 ○ 小規模事業者持続化補助金
小規模事業者が自社の経営を見直し、自らが持続的な経営に向けた経営計画を作成した上で行う販路開拓や生産性向上の取組を支援します。販路開拓に必要な経費の一部(通常枠での補助率は2/3)が補助されますが、申請内容についての審査があります。第8回申請受付締切日は6月3日で、その後9月中旬、12月上旬、翌年2月下旬と締切りが設けられています。

 ○ 事業再構築補助金
ポストコロナ・ウィズコロナ時代の経済社会の変化に対応するため、中小企業の思い切った事業再構築を支援することで、日本経済の構造転換を促すことを目的としています。事業拡大につながる事業資産への相応規模の投資をした場合の経費の一部 (通常枠での補助率は2/3)が補助されますが、こちらも申請内容についての審査があります。第6回申請受付締切日は6月30日です。
(鈴木:記)

<2022年4月>
 4月は、新年度になり世の中いろいろ変わってくることが多いのですが、新しい法律の施行も目白押しになっています。中でもここで注目したいのが、『個人情報保護法』です。弊事務所でも、HPの“個人情報の取扱い”のページを更新しました。

 ○ 個人情報の取得・利用
個人情報を取扱う事業者は利用目的をできる限り特定し、特定した利用目的をあらかじめ公表しておくか、個人情報を取得する際に、速やかに本人に通知または公表する必要があります。そして、特定した利用範囲以外のことに利用する場合は、原則としてあらかじめ本人の同意を得なければなりません。そして、個人情報は適正に取得しなければならず、偽りその他不正の手段による取得をしてはなりません。

 ○ 個人データの保管・管理
個人情報取扱事業者は、個人データの安全管理のために必要かつ適切な措置を講じなければならず、個人の権利利益を害するおそれが大きい個人データの漏洩、滅失や毀損が発生してしまった場合は、個人情報保護委員会への報告、および漏洩等が発生したことを本人に通知する義務があります。

 ○ 保有個人データの開示請求等
個人情報取扱事業者は、本人から保有個人データの開示、内容の訂正、追加または削除、利用の停止、消去および第三者への提供の停止の請求を受けたときは、原則として請求に対応しなければならず、その方法についてはHPでの公表や事業所での掲示等が必要です
(鈴木:記)

<2022年3月>
 弊事務所では、相続手続のお手伝いもさせて頂いているのですが、一番最初に行うのが相続人の確定で、その次が相続財産の確認となってまいります。中でも、不動産には相続の登記があるのですが、今までは、相続登記の申請は義務ではありませんでした。しかし、それが大きな問題となってきており、2年先ではありますが、令和6年4月1日より義務化されることになりました。

 ○ 所有者不明土地の発生
相続登記がされないまま放置されると、a) 所有者の探索に多大な時間と費用が必要 b) 土地が管理されず放置される c) 共有者が多数の場合や一部所在不明の場合、土地の管理・利用のために必要な合意形成が困難になるという問題点があります。

 ○ 相続登記申請の義務化
不動産を取得した相続人に対し、その取得を知った日から3年以内に相続登記の申請をすることが義務付けされ、正当な理由のない申請漏れには、過料の罰則があります。また、環境整備策として、相続人が登記名義人の法定相続人である旨を単独で申し出ることができるよう、『相続人申告登記』が創設されます。しかも、こちらは非課税です。

 ○ 土地を手放すための制度
土地利用ニーズの低下等により、土地を相続したものの手放したいと考える人が増加しているため、法務大臣の承認を受けて、その土地の所有権を国庫に帰属させることができるようになります。ただし、審査手数料のほか、10年分の土地管理費相当額の負担金が徴収されます。この制度は、令和5年4月27日からの施行です。
(鈴木:記)

<2022年2月>
 皆さまも経験がおありかと思いますが、金融機関の窓口では、本人確認がものすごく厳しく言われるようになりました。これには、なりすましを防ぐのと同時に、マネー・ローンダリング(Money Laundering)を防止する役割も課されています。そして、私たち行政書士の特定業務においても、同じような対応が求められているのです。

 ○ マネー・ローンダリングとは
犯罪行為で得た資金を正当な取引で得た資金のように見せかけたり、口座を転々とさせたり、金融商品や不動産、宝石等に形態を変えてその出所を隠したりして、違法な起源を偽装する目的で犯罪収益を処理することとされています。

 ○ 行政書士の特定業務とは
a) 宅地又は建物の売買に関する行為又は手続〔売買契約書の作成等〕 b) 会社等の設立又は合併等に関する行為又は手続〔定款、議事録の作成等〕 c) (200万円を超える)現金、預金、有価証券、その他の財産の管理又は処分〔相続財産の管理等〕が該当します。

 ○ 個人の本人確認書類例
① 運転免許証、マイナンバーカード、パスポート、在留カード、官公庁発行書類で写真付き証明書等 ② 健康保険証、年金手帳、印鑑登録証明書、官公庁発行書類で写真のない証明書等の組み合わせ

 ○ 法人の本人確認書類例
登記事項証明書、印鑑証明書、官公庁発行書類で名称所在地の記載のあるもの
(鈴木:記)

<2022年1月>
 これまでも、マイナンバーカードについて何度かご紹介してまいりましたが、マイナポイント第2弾が、1月1日より開始されましたのでお知らせいたします。総額にして、20,000円をもらえることになります。
 https://www.kojinbango-card.go.jp/

 ○ マイナンバーカード新規取得で最大5,000円相当のポイント
昨年行われていました新規取得でのポイントが、引き続き獲得できるようになりました。しかも、既にマイナンバーカードを取得していてまだ5,000円相当のポイントに達していない方にも、引き続きチャージやお買い物に対して上限まで付与されます

 ○ 健康保険証での利用登録で7,500円相当のポイント
マイナンバーカートは、既に健康保険証としても利用できるようになっています。今回は、登録済みの方や利用申込みを行った方を含め、7,500円相当のポイントが付与されます。実際に利用できる医療機関はまだまだ少ないようですが、登録だけでもしておいてはいかがでしょうか。

 ○ 公金受取口座の登録で7,500円相当のポイント
以前、給付金10万円の支給で混乱が起きたことは、まだ記憶に残っているところですが、もし公金受取口座の登録ができていれば、もっと素早く振り込んでもらえたでしょう。お上に自分の口座番号を知られるのに、抵抗がある方もいらっしゃるかも知れませんが、それ専用の口座をもう一つ開設しておくというのも良いと思います。
(鈴木:記)

<2021年12月>
 法務局から人権週間の周知依頼がございましたので、皆さまにご紹介いたします。1948年12月10日第3回国際連合総会で「世界人権宣言」全30条が採択されたことから、採択日の12月10日を人権デーHuman Rights Day、そしてその日を最終日とする1週間を人権週間として、各種行事が毎年実施されています。

 ○ 世界人権宣言(外務省仮訳文)
前文 人類社会のすべての構成員の固有の尊厳と平等で譲ることのできない権利とを承認することは、世界における自由、正義及び平和の基礎である・・・
1条 すべての人間は、生まれながらにして自由であり、かつ、尊厳と権利とについて平等である。人間は、理性と良心とを授けられており、互いに同胞の精神をもって行動しなければならない。
2条1項 すべて人は、人種、皮膚の色、性、言語、宗教、政治上その他の意見、国民的若しくは社会的出身、財産、門地その他の地位又はこれに類するいかなる事由による差別をも受けることなく、この宣言に掲げるすべての権利と自由とを享有することができる。
3条 すべて人は、生命、自由及び身体の安全に対する権利を有する。
12条 何人も、自己の私事、家族、家庭若しくは通信に対して、ほしいままに干渉され、又は名誉及び信用に対して攻撃を受けることはない。人はすべて、このような干渉又は攻撃に対して法の保護を受ける権利を有する。
14条1項 すべて人は、迫害を免れるため、他国に避難することを求め、かつ、避難する権利を有する。
(鈴木:記)

<2021年11月>
 今回は、法務省からあった周知依頼の情報をご紹介します。現在、多くの市区町村で発行される戸籍謄本等を、コンビニのマルチコピー機で取得できるようになっていますが、そこにはちゃんと偽造・改ざん防止対策が施されていますよというものです。

 ○ けん制文字
証明書の地紋のパターンは、コンビニ各社によってそれぞれ異なっていますが、コピー防止対策として、証明書の両面にけん制文字が施されています。そのため、証明書をコピーすると、「複写」という文字が浮き上がってきます。

 ○ スクランブル画像
証明書の表面に暗号処理を施し生成したスクランブル画像が、裏面に印刷されます。問合せサイト(https://cdid.lg-waps.go.jp/)を通じて、裏面の暗号を解除した画像がパソコンの画面に表示されるので、表面と見比べて、内容が改ざんされていないかを確認することができます。

 ○ 偽造防止検出画像
偽造防止検出画像は、証明書の裏面に印刷されている画像(桜)で、この画像には、目視で確認できる画像(可視画像)に加え、可視画像の裏に隠れている画像(潜像画像)が印刷されています。特殊な画像確認器具を使ってパソコンに映し出すと、桜の検出画像が消えて、潜像画像が浮びあがります。コピーした証明書の偽造防止検出画像は、潜像画像が欠落しているため、偽造されているかどうかの確認ができます。
(鈴木:記)

<2021年10月>
 9月にデジタル庁が発足したところですが、総務省から行政書士会に対して、マイナンバーカードの普及促進について協力依頼がございました。そこで、マイナンバーカードについては以前にもご紹介しましたが、現在の状況についてご案内いたします。

 ○ ワクチン接種証明書
ニュースなどでご承知の方も多いと思いますが、日本でも、いわゆるワクチンパスポートなるものが導入されるようです。当然紙の物もありますが、マイナンバーカード+4桁の暗証番号を使って申請をし、二次元コード付き証明書をアプリ上で取得できるようになります。また、3回目のワクチン接種の予約サイトでの利用を念頭に、システム構築が予定されています。

 ○ 健康保険証
マイナンバーカードは健康保険証としても利用できるようになり、10月20日からは本格運用が始まります。しかし、全国約22万9千の医療機関のうち、既に利用が始まっているのは全体の1.5%だそうです。コロナ禍でシステム改修にまで医療機関の手が回っておらず、マイナ保険証を持っている患者も少ないので、しばらくは現在の健康保険証をそのまま使うことになりそうです(9/22日経)。

 ○ マイナポイント
今年4月末までにマイナンバーカードを申請した方で、マイナポイントの取得手続を行っていない方は、申請期間が9月末までから12月末までに延長されましたので、まだ間に合います。キャッシュレス決済サービスで使える上限5千円分のポイントがもらえますので、スマホやパソコン、またはコンビニなどの全国約9万か所にあるマイナポイント手続スポットで操作して、是非受け取って下さい。
(鈴木:記)

<2021年9月>
 昨今、規制改革の必要性が叫ばれて久しいところですが、この規制改革には、「全国単位」や「地域単位」によるもののほかに、「企業単位」の改革として,、“規制のサンドボックス制度(新技術等実証制度)” “新事業特例制度” “グレーゾーン解消制度”というものがあります。

 ○ 規制のサンドボックス制度
期間や参加者を限定すること等により、規制の適用を受けずにAI、IoT、ブロックチェーン等の革新的な技術やビジネスモデルを活用した実証を迅速に行い、実証により得られた情報やデータを用いて、規制の見直しにつなげていく制度です。国に事前相談を行った上で実証計画の認定申請を行い、認定されれば実施ができます。

 ○ 新事業特例制度
新たな事業活動を行おうとする事業者が、その支障となる規制の特例措置を提案し、安全性等の確保を条件として、具体的な事業計画に即して規制の特例措置の適用を求める制度です。まず国に特例措置の要望を出し、それが認められた後に新事業活動計画の認定申請を行い、認定されれば実施ができます。

 ○ グレーゾーン解消制度
新たな事業活動を行おうとする事業者が、現行の規制の適用範囲が不明確な分野において、安心して新事業活動を行えるように、具体的な事業計画に即して、あらかじめ規制の適用の有無を確認できる制度です。言い方を変えれば、国に対して、新事業が規制の対象になるかどうかを、事前に問い合わせておくことができるというものです。
(鈴木:記)

<2021年8月>
 昨今、DX(デジタルトランスフォーメーション)も、かなり身近なものになってまいりました。と言っても、どのように取り入れれば良いのか、もう一つピンと来ないのが現状です。そこで、今回はDXの話題ですが、具体的な導入は専門家にお任せします。

 ○ 生産性の向上
生産性の向上は、”付加価値の向上÷効率の向上“という計算式で表されますが、”攻めのIT経営÷守りのIT経営”と言い換えることもできます。ITを浸透させること=DXになりますし、ITによって付加価値を向上させれば売上が増加し、効率を向上させればコストを削減できます。

 ○ 業務の改善
生産性を向上させるためには、まず業務を改善しなくてはなりません。①問題の抽出と課題の整理、②課題解決策の検討・立案、③課題解決策の選定と実施優先順位の検討、④課題解決策の実施計画の策定 というステップで進めていくのですが、そこでは『人間系の解決策』と『IT系の解決策』を同時に考えなければいけません。

 ○ IT導入補助金
現在、国の施策に「IT導入補助金」https://www.it-hojo.jp/ があります。細かな条件があり、審査もありますが、補助率は導入費用の1/2以内又は2/3以内となっています。交付申請の最終締切(3次締切分)は、本年9月30日(木)です。

 ○ 情報セキュリティ
IT導入補助金でも、申請に必須の要件になっているのが情報セキュリティです。個人情報の保護や企業秘密の保全は必須の要件ですが、一体どこまでやれば良いのでしょうか。国の機関にIPA(情報処理推進機構)https://www.ipa.go.jp/ というものがあり、各種情報を提供していますので、時々チェックしておくことが重要です。
(鈴木:記)

<2021年7月>
 これまで、何か契約をしようとした場合、紙の契約書に判子を押してとなったものですが、これからは、電子契約も身近なものになるのでしょう!

 ○ 契約自由の原則
民法の原則では、契約締結の方式は自由(522条2項)ですので、書面が無くても口頭だけで、契約は有効に成立します。しかし、例外があり、書面の作成が必須となる契約類型がいくつも存在しています。

 ○ 債務保証契約
民法以外でも、書面の作成を要求している契約があります。建設工事請負契約(建設業法19条1項)もそうです。しかし、ここでも、「電子情報処理組織を使用する方法・・・」(同19条3項)であれば、書面を作成したものとみなされます。

 ○ 建設工事請負契約
ようやく普及し始めてきたマイナンバーですが、国民にとっての利便性と行政事務の効率化を両立させ、公平・公正な社会を実現させなければなりません。そうなって初めて、マイナンバーカードが最も信頼性の高い身分証明書となります。

 ○ 電子署名
紙の契約書では、そこに判子があれば、「真正に成立したものと推定」されます(民訴法228条4項)が、電子契約でも電子署名があれば、契約の有効性が担保されています(電子署名法3条)。

 ○ 電子契約書の保存
税務では、契約書の保存が義務化されています(法人税法施行規則59条1項3号)が、電子契約でも保存方法が定められています(電子帳簿保存法10条)。
(鈴木:記)

<2021年6月>
 5月12日、「デジタル改革関連6法」が参議院本会議で可決され、成立しました。これで、世界から遅れていると言われてきた日本のデジタル社会は、一気に加速、実現するのでしょうか? 今回は、その中心となるデジタル庁の業務をご紹介します。

 ○ 国の情報システム
国の情報システムは、1000以上あると言われています。これらすべてを一元化し、プロジェクト管理をしていこうというのですが、ユーザーにとってどれだけ使いやすいシステムになるのか、そこが課題です。

 ○ 地方共通のデジタル基盤
約1700の地方公共団体の様々な情報システムを、統一・標準化していこうとする試みです。既存のサービスをオンラインに置き換えるだけでは、十分ではありません。

 ○ マイナンバー制度
ようやく普及し始めてきたマイナンバーですが、国民にとっての利便性と行政事務の効率化を両立させ、公平・公正な社会を実現させなければなりません。そうなって初めて、マイナンバーカードが最も信頼性の高い身分証明書となります。

 ○ 準公共
準公共とは、国民生活に密接な医療・教育・防災などの分野を指します。これに関連して、デジタル化促進のために必要な、規制・制度上の見直しが行われます。

 ○ データ利活用
公的機関に登録されている様々な基本データを「データレジストリ」と言い、その取扱いルールやツールを整備するとともに、データの信頼性を構築する仕組みが必要になってきます。
(鈴木:記)

<2021年5月>
 今回は、経済産業省のローカルベンチマーク(通称:ロカベン)をご紹介します。これは、企業が自社の経営状態を把握するために開発されたもので、このロカベンで企業の健康診断を受けることができます。そして、これもまた無料でホームページからダウンロードができ、使い方の動画まで用意されています。

 ○ 財務分析
3期分の貸借対照表BSや損益計算書PLの数値を入力するだけで、自動的に財務分析をしてくれます。また、従業員数を入力すると、労働生産性も算出されるようになっています。

 ○ 業種平均
日本標準産業分類を基に業種を指定すると、財務分析診断結果から、6つの指標について業種平均との乖離が示されます。その指標は、①売上持続性(売上高増加率)、②収益性(営業利益率)、③生産性(労働生産性)、④健全性(有利子負債倍率)、⑤効率性(営業運転資本回転期間)、安全性(自己資本比率)の6つです。

 ○ 商流・業務フロー
このロカベンには、財務分析以外に、非財務ヒアリングシートというものがあります。経営者がコンサルタントとやり取りしながら入力する形にはなっていますが、企業側だけで作っても、抽象的だったことが具体的になってきますので、こちらも使ってみる価値はあると思います。

 ○ 4つの視点
その他、①経営者、②事業、③企業を取り巻く環境・関係者、④内部管理体制の4つの視点というものがありますので、こちらもまとめてみて下さい。 
(鈴木:記)

<2021年4月>
 今回は、国の外郭団体である独立行政法人「中小企業基盤整備機構」(中小機構)のホームページをご紹介します。中小機構は、国の中小企業政策全般にわたる総合的な支援施策を実施する機関として、平成16年に設立されました。お役立ち情報が満載で、しかも無料なんです!

 ○ ちょこっとゼミナール https://chokozemi.smrj.go.jp/
Youtubeで、それぞれ10分程度の動画を見ることができます。ビジネスの悩みについて、目的別にまとめてありますので、きっと知りたいと思う情報が見つかることと思います。

 ○ Ebiz(EC活用) https://ec.smrj.go.jp/
EC(Electronic Commerce)は、インターネット上で商品やサービスを提供するウェブサイトのことです。国内向けも海外向けも、ノウハウの紹介から相談窓口まで、またイベントやセミナーの紹介もあり、ECに特化したサイトになっています。

 ○ J-Net21(起業・開業ガイド) https://j-net21.smrj.go.jp/
300種類以上の業種ごとに、開業概要、手順、許認可、開業資金等の情報が掲載されています。補助金や助成金を紹介したページもあります。さらに、現場ですぐに使える書式をダウンロードすることができますので、既存の事業者でも活用しない手はありません。

 ○ ここからアプリ https://ittools.smrj.go.jp:/
事業者の生産性向上に役立つ、各種アプリを集約して紹介しています。導入前の比較検討ができますので、後から失敗したと後悔しなくて済みそうです。
(鈴木:記)

<2021年3月>
 今年の9月にデジタル庁ができるそうですが、手続きのオンライン化はどこまで進んでいるのでしょうか? 「電子政府」でネット検索すると、「e-Govポータル」というページが出てきます。ここの「e-Govのサービス」に『電子申請』という項目があり、そこをクリックすると、電子申請が行えるページにたどり着きます。

 ○ e-Gov電子申請
このページは昨年11月にリニューアルされたようで、私も久し振りに開いてみると、かなり進化していました。パソコンやスマホ(一部機能のみ)にe-Gov電子申請アプリケーションをインストールすると、マイページで一覧管理ができるようになっています。

 ○ 利用可能手続
e-Gov電子申請で利用可能な手続きは、現在3,869件あります。厚生労働省が一番多くて3,379件なのですが、その他は、国家公安委員会・警察庁1件、金融庁160件、経済産業省132件、国土交通省175件、気象庁6件、環境省16件だけです。ちょうど今は所得税確定申告のシーズンですが、電子申告のシステムであるe-Taxはここに含まれていません。このように、一口に電子申請ができると言っても、独自のシステムがかなり多くあり、それぞれ独立して稼働しているのが現状です。

 ○ 電子証明書
手続きによっては、電子証明書が必要なものがあります。マイナンバーカードはOKですが、ICカードリーダーライターを事前に用意しておかないと、接続ができません。

 ○ 電子納付
労働保険の年度更新など、何らかの納付を行わないといけない手続きもありますが、ネットバンキングには対応しています。Pay-easyペイジーを使った経験のある方も、だんだん増えてきているようですね。
(鈴木:記)

<2021年2月>
 最近、紙の申請書類などで判子を不要とする動きが出てきていますが、オンライン化された手続きでは、そもそも判子を押すことができません。そこで、オンライン上では“電子証明書”が判子の代わりをしています。

 ○ 電子証明書
判子(実印)を市区町村に登録すると、印鑑登録証明書を発行してもらえますが、これと同じものが電子証明書ということになります。オンライン上の手続きにおいて、本人確認手段となるばかりではなく、データの改ざん防止のためにも役立ちます。

 ○ マイナンバーカード
ようやく私たちの身近になってきたマイナンバーカードですが、これがその人を本人だと証明してくれる電子証明書になっています。印鑑登録証明書と同じ、皆さまお住いの市区町村で発行してくれます。

 ○ 商業登記電子証明書
マイナンバーカードが個人を証明してくれるものなら、法人(代表者)を証明するものに商業登記電子証明書があります。法人でも代表者印(実印)を登記所に登録しますが、こちらは管轄の登記所に申請し、電子認証登記所から発行してもらいます。

 ○ 行政書士電子証明書
我々行政書士にも、電子証明書があります。行政書士資格を証明してくれるもので、この電子証明書を使って、電子申請業務を行うことになります。しかし、まだまだ使える手続きが限られており、最もポピュラーなのは、会社を設立する際に作る定款でしょう。電子定款とも呼ばれ、その一番のメリットは、紙定款で必要となる収入印紙代の4万円を節約できることです。
(鈴木:記)

<2021年1月>
 今年の9月、いよいよデジタル庁が発足する運びのようです。これで、日本の行政手続のオンライン化が一気に進む?と期待したいところです。何と言っても、2020年の国連の世界電子政府ランキングで日本は14位、行政のオンライン利用率は先進国中で最低だったそうです。そこで、今年の 『ちょっとした情報のお届け』 では、行政手続のオンライン化についてご紹介いたします。今月は、マイナンバーカードです。

 ○ マイナポイント
昨年9月にマイナポイントの付与が始まり、その後、マイナンバーカードをお持ちの方も増えていることと思います。このマイナポイントの付与は今年の3月まで、付与率25%で上限5千円分のポイントがもらえますので、まだの方はどうぞお早めに!

 ○ マイナポータル
マイナンバーカードを使って行政手続を行う方法はいろいろあります。コンビニにあるマルチコピー機は非常に便利ですし、直接ネットからアクセスするには、マイナポータルのページhttps://myna.go.jp/SCK0101_01_001/SCK0101_01_001_InitDiscsys.formへ進むことになります。

 ○ 健康保険証利用
3月から、マイナンバーカードが健康保険証として使えるようになります。医療機関や薬局で、マイナンバーカードをカードリーダーにかざすだけで利用できます。もう既に利用申込みが始まっており、こちらもマイナポータルからその手続きを行います。

 ○ その後
その後のマイナンバーカードの利用については、平井担当大臣が動画で解説していますのでご覧下さい。 https://www.youtube.com/watch?v=hRTvuZsU8Kk
(鈴木:記)

<2020年12月>
 皆さまご存じでしょうか。『初音ミク』が日本政府のコロナ対策サポーターに就任いたしました。とは言っても、『初音ミク』って何者?と思われる方も多いかと思います。以下は、Wikipediaの記事を参考に紹介させていただきます。

 ○ 概 要
初音ミクは、2007年に、クリプトン・フューチャー・メディアという会社から発売された、音声合成・デスクトップミュージック(DTM)用のボーカル音源、およびそのキャラクターです。ということで、実在の人物ではありません。ヤマハの開発した音声合成システム「VOCALOID」に対応したソフトで作られ、パソコンの操作で、色んな曲を初音ミクに歌わせることができます。最新版ソフトは、11月に発売されました

 ○ 反 響
初音ミクも、初めは日本語で歌っていたのですが、すぐに各国語をマスターして、海外公演を行うなどの活躍をしています。その他にも、オーケストラと共演したり、バレエを踊ったりすることができます。また、派生キャラクターも次々と誕生しています。

 ○ コロナ対策サポーター
そんな初音ミクに、日本政府が目を付けました。このコロナ対策サポーターには、サッカーのイニエスタ選手、スケートの小平選手、野球の菅野選手・梨田元監督、サントリーの新浪氏、楽天の三木谷氏、吉本の西川きよし氏、そしてロボットのペッパーが就任して、動画の発信https://corona.go.jp/ をしています。
(鈴木:記)

<2020年11月>
 先日、あるオンラインセミナーに参加してきました。超高齢化社会へと向かっている中で、皆さまは身元保証事業をご存じですか? そこで学んだことを、少しご紹介させていただきます。弊事務所でも、この事業を応援していきたいと思います。

 ○ 独居高齢者を取り巻く現状
現在、国内の独居高齢者の数は約700万人(H29年版高齢社会白書)で、その内3割の人が緊急時に頼れる人がいないと回答している(H26年度版一人暮らしの高齢者に関する意識調査)そうです。

 ○ 老人ホーム・病院の受け入れ拒否が社会問題に
特に身寄りのない高齢者の場合、老人ホームで「通院補助など身の回りのことは家族対応して欲しい」「退去時に残置物があると次の入居者を案内できない」とされたり、病院では「家族がいないと入院費用の未払いのリスクがある」「亡くなった後の葬儀は誰が担当してくれるの」と言われたりすることが社会問題になっています。

 ○ 三方のニーズに対応するビジネスモデル
そこで、1) 身寄りのいない、誰かを頼れない“高齢者” 2) 駆け付けられない、家事・育児で忙しい“家族” 3) 利用料の未払いなどに悩む“介護施設・病院”の、各ニーズに答えるために生まれたのが、この身元保証事業だということです。

 ○ 求められる役割
この事業で求められる役割は、【事業者が実施】 身上保護(施設や病院の手続き・意思の代理表明)、生活支援(日々の買い物代行・生活全般の補助)、死後事務(身元の引き受け・葬儀納骨の手配)があり、【外部に委託】 連帯保証(家賃や医療費などの支払保証)、損害補償(物や他人に損害を与えた際の補償)、財産管理(成年後見・任意後見)が考えられています。
(鈴木:記)

<2020年10月>
 この10月から、著作権法の改正法が施行されました。また、年明けの1月から改正される部分もございます。一応、日本行政書士会連合会の著作権相談員を務めていますので、改正された部分をご紹介致します。

 ○ インターネット上の海賊版対策の強化 (10月1日改正)
これまで、著作権者の許可なく著作物(全般)をインターネット上にアップロードする事は違法であり、違法にアップロードされた音楽・映像を、違法にアップロードされた事を知りながらダウンロードする事も違法とされていました。そしてこれからは、違法にアップロードされた著作物へのリンク情報を掲載できるサイトを設置・運営したり、リンク情報を掲載すると処罰の対象となります(リーチサイト対策)。

 ○ 写り込みに係る権利制限規定の対象範囲の拡大 (10月1日改正)
これまで、写真撮影・録音・録画を行う際の写り込みは、著作物の創作性から認められてきましたが、今後は、複製や複製を伴わない伝達行為全般が対象となり、創作性という制限がなくなり、メインの被写体から写り込んだものを分離する必要もなくなります。

○ 侵害コンテンツのダウンロード違法化 (1月1日改正)
これまでは音楽・映像についてだけでしたが、改正後は、著作物全般(漫画・書籍・論文・コンピュータプログラムなど)の侵害コンテンツのダウンロードが違法となります。規制対象は、違法にアップロードされた事を知りながらダウンロードする場合です。その際、国民の情報収集等を過度に委縮させないようにと、漫画の1コマ~数コマなど軽微なもの、二次創作・パロディや、著作権者の利益を不当に害しないと認められる特別な事情がある場合のダウンロードは、規制対象外になっています。
(鈴木:記)

<2020年9月>
 最近、DX(Digital transformation)という言葉をよく目にします。ウィキペディアには、ビジネス用語として、おおむね 『企業がテクノロジーを利用して事業の業績や対象範囲を根底から変化させる』 という意味合いで用いられると書かれていました。さて、弊事務所での取り組みは・・・

 ○ パソコンのグレードアップ
古いパソコンを使っていた時は、大量のデータを処理するのに、かなり時間を割いてきました。ところが、今はサクサク動いてくれるので快適です。しかし、同時に扱う人間のスキルも向上させなければなりませんが、そこはこれからということに。

 ○ セキュリティ強化
パソコンにウィルス対策ソフトをインストールするのは勿論、それに加えて、インターネットの入口対策・出口対策や、事務所内ネットワークの対策まで対応できる機器を導入しました。

 ○ 暗号化
弊事務所のHPは、https:// で始まるURLになっています。これにより、なりすましや盗聴などの攻撃を防ぐことができます。また、電子メールを使ってデータをやり取りする場合に備え、暗号化ソフトも用意していますが、こちらはあまり使っておらず、WordやExcelにパスワードを設定して送受信しているのが現状です。

 ○ 電子証明書
行政書士電子証明書というものがございます。これで行政書士資格が電子的に証明され、一番利用することが多いケースは、会社設立等に必要となる電子定款です。また、個人としては、マイナンバーカードでも証明できます。
(鈴木:記)

<2020年8月>
 皆さま報道でご存じの通り、9月よりマイナポイントの付与が始まります。マイナンバーカードを使って申込み、キャッシュレス決済サービスでお買い物等をすると、上限5千円のポイントがもらえるというものです。申込方法は色々ですが、挑戦しました。

 ○ マイナンバーカードの取得
住民票を持つすべての人に、12桁の個人番号が付けられています。その個人番号を持つ住民が、市区町村に申し込んで取得するのがマイナンバーカードです。

 ○ マイナポイント手続スポットへ
パソコンやスマートフォンで設定ができるのですが、パソコン用カードリーダーがなく、スマホも対応していない機種だったのでこちらは断念。そこで、マイナポイント手続スポットの一つである、事務所近くのコンビニ(セブンイレブン)へ行ってみました。

 ○ マイナポイントの申込み
コンビニにあるマルチコピー機で、“行政サービス”を選んで操作します。マイナンバーカードをセットし、カード受取時に設定したパスワードを入力します。その後、どのキャッシュレス決済を使いたいか選ぶのですが、私はnanacoにしました。次は決済方法によって操作が違いますので、画面の指示通りに入力していきます。割りと簡単に終了となりました。

 ○ マイナポイントの付与
ここからは、9月~来年3月までのサービスです。選択したキャッシュレス決済サービスでチャージやお買い物をすると、付与率25%で上限5千円分のポイントがもらえます。私の場合は、nanacoのポイントになります。
(鈴木:記)

<2020年7月>
 先日の新聞に、「行政手続き、オンライン完結は1割未満 給付金など支障 経済活性化の重荷に」(日本経済新聞2020/6/18朝刊)という記事が掲載されていました。
今回は、この記事からご紹介致します。
(出所)日本総合研究所、2019年3月末時点
手続き数(件)オンライン完結(件)(%)
国土交通省10,6282972.8
厚生労働省9,2401,04311.3
経済産業省6,6665197.8
財務省5,6451,35824.1
総務省4,8583888.0
農林水産省4,764601.3
金融庁4,1581684.0
国家公安委員会・警察庁1,675764.5
法務省1,067343.2
政府全体55,7654,1647.5

 ○ IT戦略
『日本では約20年前、小渕恵三内閣から森喜朗内閣の時代にIT戦略を作り「5年以内に世界最先端のIT国家となることを目指す」と宣言した。』 と記事にあります。当時の森首相が、“IT”を“イット”と発音していたことが思い出されます。

 ○ オンライン申請
『10万円の給付金は国民に配る際に混乱が起きた。自治体によっては申請データを印刷し職員が目視で確認する作業が必要になった。』 と記事は続きます。この特別定額給付金は、「マイナンバーカードがあればより早く給付される。」といううたい文句だったにもかかわらずです。皆さまは、このマイナンバーカード以前にも、住基カードというものがあったことをご存じでしょうか。ほとんど普及しないまま消えてなくなりましたが・・・
(鈴木:記)

<2020年6月>
 これまで、新型コロナウィルス感染症の流行で、国や自治体の側で様々な対策が講じられて参りましたが、行政書士の立場から、今の行政手続について考察してみます。

 ○ テレワーク
現在の行政手続は、未だその多くが、判子のついた紙を提出する形で行われています。そのため、お客さまに判子をつく作業をお願いする必要があり、テレワークでは対応が困難になっています。さらに、役所自体が窓口を閉めていると、その紙の書類を役所に郵送し、控えをまた送り返してもらう事になり、かなりの日数がかかってしまいます。おまけに、役所の担当者も在宅勤務があり、在宅の間は審査や決済も行われません。

 ○ オンライン化
これまでも、行政手続のオンライン化は、さまざまな場面で実現はしています。現在実施されている 『特別定額給付金』『持続化給付金』『雇用調整助成金』 の手続きもそうですが、うまく機能しているとは言い難いものです。また、それらは手続きごとのシステム構築であり、これは、まさに縦割り行政の典型でもあります。国では、昨年「デジタル手続法」を制定して、2025年までに行政手続のワンストップ化を目指すとしていますが、赤字国債が増発されている状況で、これからそれなりの予算が確保されるのか心配です。

 ○ 添付書類
行政手続でいつも苦労するのが、申請書類とは別に用意しなければならない添付書類についてです。これまで行われてきた行政手続のオンライン化でも、添付書類は別に紙の物を送らなければならない場面が多数あり、これが普及の妨げになっている原因の一つと考えられます。
(鈴木:記)

<2020年5月>
 前回、D.カーネギー(1888~1955)の著書『道は開ける』をご紹介しましたが、もう一冊の著書『人を動かす』(創元社)についても、是非触れておきたいと思います。

 ○ 人を動かす三原則
①盗人にも五分の理を認める ②重要感を持たせる ③人の立場に身を置く、という3つの原則です。私は、②に注目しました。人は相手に認められ、自分は重要な存在なのだと感じることができれば、その相手のために働きたくなるものです。

 ○ 人に好かれる六原則
①誠実な関心を寄せる ②笑顔を忘れない ③名前を覚える ④聞き手にまわる ⑤関心のありかを見抜く ⑥心からほめる、という6つの原則です。⑥にあるように、人からほめられたら、誰だってうれしいものです。また、①にも注目です。相手に関心を寄せ、好意を持つようにすれば、相手も自分のことを好きになってくれます。

 ○ 人を説得する十二原則
①議論を避ける ②誤りを指摘しない ③誤りを認める ④穏やかに話す ⑤“イエス”と答えられる問題を選ぶ ⑥しゃべらせる ⑦思いつかせる ⑧人の身になる ⑨同情を寄せる ⑩美しい心情に呼びかける ⑪演出を考える ⑫対抗意識を刺激する、という原則です。どれもなるほどと思いますが、②と③は対になるようです。相手の誤りは指摘せず、反対に自分の誤りを認めるというのも、必要なのかも知れません。
(鈴木:記)

<2020年4月>
 この時期、精神論で恐縮ですが、D.カーネギー(1888~1955)の著書『道は開ける』(創元社)の中から、新型コロナウィルスに対する心構えを拾ってみたいと思います。

 ○ デール・ブレッケンリッジ・カーネギー(wikipediaより)
アメリカミズーリ州の貧しい農家に生まれ、今日でも支持の高いベストセラー『人を動かす』(1936)の著者として有名である。また、『道は開ける』(1948)、『知られざるリンカーン』(1932)なども著している。カーネギーの著書では、他者に対する自己の行動を変えることにより、他者の行動を変えることができる、という考えが柱のひとつとなっている。

 ○ 悩みを解決するための魔術的公式
1.「起こりうる最悪の事態とは何か」と自問すること。 2.やむをえない場合には、最悪の事態を受け入れる覚悟をすること。 3.それから落ち着いて最悪状態を好転させるよう努力すること。

 ○ 悩みの分析と解消法
この世の悩みの大半は、判断の根拠となる知識が十分でないのに、あえて判断を下そうとすることから生じる。1.悩んでいる事柄を詳しく書き記す。2.それについて自分にできることを書き記す。3.どうするかを決断する。4.その決断をただちに実行する。

 ○ 避けられない運命には調子を合わせよう
あなたの力でもはや事態を変えられないと悟ったら、「かくのごとし、かくあらざるをえず」と自分に言い聞かせること。

 ○ 悩みに歯止めをつけよう
一つの問題に対してどの程度まで気にかけるべきかを決めて、その限度を超えたら忘れてしまうこと。
(鈴木:記)

<2020年3月>
 皆さまは、SDGs (持続可能な開発目標) をご存じでしょうか。2015年に国連サミットで採択された 「誰一人取り残さない」 持続可能で多様性と包摂性のある社会の実現のため、2030年を年限とする17の国際目標のことです。

 ○ 17の国際目標
1:貧困をなくそう 2:飢餓をゼロに 3:すべての人に健康と福祉を 4:質の高い教育をみんなに 5:ジェンダー平等を実現しよう 6:安全な水とトイレを世界中に 7:エネルギーをみんなに そしてクリーンに 8:働きがいも 経済成長も 9:産業と技術革新の基盤をつくろう 10:人や国の不平等をなくそう 11:住み続けられるまちづくりを 12:つくる責任 つかう責任 13:気候変動に具体的な対策を 14:海の豊かさを守ろう 15:陸の豊かさも守ろう 16:平和と公正をすべての人に 17:パートナーシップで目標を達成しよう

 ○ 主なステークホルダー
日本でも政府や自治体が中心となって推進を図っているところですが、ビジネス、ファイナンス、市民社会、消費者、新しい公共、労働組合、次世代、教育機関、研究機関、地方自治体、議会がステークホルダーとして、それぞれの役割を担うことが期待されています。
(鈴木:記)
<2020年2月>
 2月22日は、「行政書士記念日」になっています。これは、昭和26年(1951年) 2月22日に、行政書士法が法律第4号として公布されたことに由来しています。今月は、行政書士制度についてご紹介いたします。

 ○ 誕 生
行政書士は、戦前まで代書人と呼ばれていました。この代書人について初めて定められたのは、明治5年(1872年)の太政官達 「司法職務定制」 になります。ここには同時に、代言人(弁護士)や証書人(公証人)も登場します。そして、行政書士の前身は行政代書人と呼ばれ、司法関係の代書を業とする司法代書人が司法書士となります。

 ○ 代書人から行政書士へ
大正時代になると、大正9年(1920年)に内務省令 「代書人規則」 が制定されたのですが、「大日本帝国憲法」 下の法規であったため、戦後の 「日本国憲法」 施行に伴い失効してしまいました。そこで、昭和26年に、現在の 「行政書士法」 が誕生しました。

 ○ ユキマサくん
2月22日は数字の並びから、『ニャンニャンニャン』 で “ネコの日” でもあります。それにあやかり、日本行政書士会連合会のマスコットキャラクターも、ネコの “ユキマサくん” になりました。行政と書いて “ユキマサ” です。

 ○ 落語 『代書(屋)』
4代目桂米團治が、昭和13年(1938年)に創作した落語に 『代書(屋)』 があります。米團治自身が大阪で行政代書人をしていたことから、このネタが生まれたそうです。
(鈴木:記)

<2020年1月>
 昨年11月27日 「行政書士法の一部を改正する法律」 が第200回臨時国会で可決成立し、12月4日に公布(令和元年法律第61号)されましたので、ここにお知らせ致します。行政書士業務に直接関係する事項についてではありませんでしたので、皆さまに何か影響を及ぼすというものでもございません。

 ○ 目的の改正
法律の目的に、国民の権利利益の実現に資することが明記され、『この法律は、行政書士の制度を定め、その業務の適正を図ることにより、行政に関する手続の円滑な実施に寄与するとともに国民の利便に資し、もって国民の権利利益の実現に資することを目的とする。』 となりました。皆さまには、行政書士制度の社会的な役割のご理解を深めていただければ幸いです。

 ○ 一人法人の許容
これまで行政書士法人の設立には、行政書士である社員が二人以上いることが必要でしたが、社員が一人のみでも行政書士法人を設立することが可能になります。なお、弊事務所は、このまま個人事務所として運営してまいります。

 ○ 行政書士会による注意勧告権の新設
行政書士会による自主的な規律の維持のための指導権限に、具体的な法的根拠が与えられました。現在、鈴木が大阪府行政書士会綱紀委員長を仰せつかっており、会員による違反行為の未然防止に繋がるのではと期待しているところです。
(鈴木:記)

<2019年12月>
 2020年4月1日施行の民法改正のご紹介も、今月で最終回となりました。<請負に関する見直し>で締めくくります。建設工事業に関係する方にとって大切です。

 ○ 請負契約が解除された
仕事を完成することができなくなった場合や、請負が仕事の完成前に解除された場合、注文者が一部分で利益を受けるときは、請負人はその利益の割合に応じて報酬の請求をすることができます。また、仕事を完成することができなかったことについて、注文者に責任がある場合は、報酬の全額を請求することができます。

 ○ 目的物に欠陥がある
請け負った目的物に欠陥があった場合、その目的物が契約の内容に適合していなければ、請負人がその責任を負います。注文者は、修理・代替物等の請求、損害賠償、契約解除、代金減額ができます。

 ○ 注文者が契約解除できる
これまで、建物等の建築請負には注文者の契約解除権が制限されていたのですが、その制限規定が削除されました。

 ○ 請負人の責任を追及する
注文者が請負人に責任を追及できる期間は、契約に適合しないことを知ってから1年以内に、その旨を通知することが必要です。
(鈴木:記)

<2019年11月>
 2020年4月1日施行の民法改正のご紹介、今月は<賃貸借に関する見直し>です。こちらも、多くの方の身近なお話になります。

 ○ 賃貸借終了時の敷金
賃貸住宅の入居者(賃借人)が退去する際、敷金の返還についてもめるケースが多くあるため、民法を改正して、「賃料債務等を担保する目的で賃借人が賃貸人に交付する金銭で、名目(礼金、権利金、保証金等)を問わない」と、敷金を定義付けしました。

 ○ 賃貸借終了時の原状回復の範囲
これまで、国土交通省が『原状回復をめぐるトラブルとガイドライン』というルールを示してきましたが、民法でも、「賃借物に損傷が生じた場合、原則として賃借人は原状回復の義務を負うが、通常損耗(賃借物の通常の使用収益によって生じた損耗)や経年変化についてはその義務を負わない」と、明記されることになりました。

 ○ 賃貸借不動産の譲渡
昨今、不動産投資信託REIT(リート)というものが登場し、家主(賃貸人)が投資会社に移った場合等にも対応できるよう、権利関係の整理が行われました。

 ○ 賃貸借の存続期間
賃貸借の存続期間については、借地借家法等にもそれぞれ規定がありますので、民法でも、他法と同じように上限が50年に伸長されました。
(鈴木:記)

<2019年10月>
 2020年4月1日施行の民法改正のご紹介、今月は<消費貸借の成立要件の見直し>です。こちらは、ある人にとっては、身近な借金のお話です

 ○ 要物契約から
現在の民法では、金銭の借入れは貸主と借主が合意をし、さらに実際に金銭の交付があるまでは、消費貸借の契約は成立しないことになっています。これを“要物契約”と言うのですが、これでは、もし貸主が金銭を用意してくれなかったら、借主は不測の損害をこうむる恐れが出てきます。例えば、住宅ローンを利用して不動産を購入しようとした場合、不動産の売買契約は成立したにもかかわらず、金銭消費貸借契約が不成立となれば困ってしまいます。

 ○ 諾成契約に
そこで、改正法では、契約を書面にすることを要件に、双方の合意だけで消費貸借の成立を認めることになりました。こちらを“諾成契約”と言います。

 ○ 借主の保護も
民法の改正後、双方の合意で金銭消費貸借契約が成立しても、借主は、金銭の交付を受ける前であれば、いつでも契約を解除することができるようになります。借主に、借りる義務を負わせないというのがその趣旨です。ただし、契約の解除により、貸主側に損害が発生した場合は、貸主は賠償を請求することができるとされました。
(鈴木:記)

<2019年9月>
 2020年4月1日施行の民法改正のご紹介、今月は<危険負担に関する見直し>です。“危険負担”と言われても、普段あまり聞き慣れない言葉だと思います。

 ○ 危険負担とは
建物の売買契約では売主と買主がありますが、売主は建物を引き渡す義務があり、買主には代金を支払う義務があります。そのような両方に義務がある契約を、双務契約と呼びます。ところで、もし、この建物が地震で潰れてしまったら、売主は引き渡しができなくなってしまいますが、一方で、買主の代金を支払う義務はどうなるのでしょうか? 民法では、こういった問題を解決するために、“危険負担”の規定を設けています。

 ○ 民法の原則は
民法では、この“危険負担”について、原則は、買主の義務は消滅することになっています。しかし、例外がいくつかありまして、上記のケースのように、売買の目的物(ここでは建物)が特定されている場合は、買主の代金支払い義務は無くならないのです。

 ○ 改正法では
そこで、こんな民法の規定だと、買主のリスクが過大なものとなることから、改正法では、買主は代金の支払いを拒絶することができるようになりました。ただし、売主が建物を引き渡した後に地震で潰れたような場合は、買主の支払いの拒絶は認められません。
(鈴木:記)

<2019年8月>
 2020年4月1日施行の民法改正のご紹介、今月は<契約の成立に関する見直し>です。民法上、契約は申込みがあり、それに対する承諾があれば成立します。しかし、お互いが相対している(対話者)場合と、遠隔地にいる(隔地者)場合とは、少々事情が違ってきます。

 ○ 承諾の期間を定めないで行った申込み
対話者間では、対話が継続している間であればいつでも申込みの撤回ができ、その間に承諾がされなければ申込みの効力は無くなります。
 隔地者間では、相当な期間を経過するまで申込みの撤回はできませんが、撤回権を留保したときは撤回できることになります。

 ○ 承諾の期間を定めた申込み
対話者間でも隔地者間でも申込みの撤回はできず、期間内に承諾がないと申込みの効力は消滅します。しかし、撤回権を留保したときはどちらも撤回できます。

 ○ 隔地者間の契約の成立時期
これまでは、契約の相手方が承諾の通知を発信した時に契約が成立(発信主義)していましたが、対話者間と同様に、隔地者間でも承諾の意思表示が相手方に到達した時に効力が発生(到達主義)することになりました。これは、申込者の知らない間に契約が成立してしまい、それによって履行遅滞に陥るなど、申込者が不測の損害を被るおそれを無くすために改正されました。
(鈴木:記)

<2019年7月>
 今月1日、改正相続法(民法)が施行されました。正確には、今年1月から来年7月まで順次施行となっていますが、今月が一番多くの改正になり、高齢化の進展等に対する対応がなされています。

 ○ 夫婦間における居住用不動産の贈与等に関する優遇措置
婚姻期間が20年以上の夫婦間で居住用不動産(居住用建物又はその敷地)の贈与等がされた場合、原則として、遺産分割における配偶者の取り分が増える事になりました。贈与税の特例とセットに行えば、遺された配偶者にとって大変手厚いものとなります。

 ○ 預貯金の払戻し制度の創設
被相続人の預貯金が遺産分割の対象となる場合、各相続人は、遺産分割が終わる前でも、一定の範囲で預貯金の払戻しを受ける事ができるようになりました。これにより、遺族の当面の生活費や葬儀費用の工面等、ある程度賄いやすくなります。

 ○ 遺留分制度の見直し
遺留分を侵害された者(遺言で法定相続分より少なくなった相続人)は、遺贈や贈与を受けた者に対し、遺留分侵害額に相当する金銭の請求をする事ができるようになりました。又、その請求を受けた者が金銭を直ちに準備する事ができない場合には、裁判所に対して、支払期限の猶予を求める事もできます。

 ○ 特別の寄与制度の創設
相続人以外の被相続人の親族が無償で被相続人の療養看護等を行った場合には、相続人に対して金銭の請求をする事ができるようになりました。例えば、亡き長男の妻が義父(被相続人)の介護に尽くしても、これまではその貢献に報いる事ができませんでしたが、この制度により、実質的な公平が図られるようになりました。
(鈴木:記)

<2019年6月>
 2020年4月1日施行の民法改正のご紹介、今月は<契約に関する基本原則の明記>です。“契約自由の原則”というものがあるのですが、原則であるにもかかわらず、これまで民法に明文規定がありませんでした。

 ○ 契約自由の原則とは
一般的に、① 契約締結の自由: 契約を締結するかしないかの自由、② 相手方選択の自由: 契約の相手方を選ぶ自由、③ 内容決定の自由: 契約の内容を決定することができる自由、④ 方式の自由: 契約を書面で締結するか口頭だけにするか等、契約の方式を決定することの自由 があります。

 ○ 例外規定
契約の自由が“原則”である反面、“例外”もあります。契約の締結を義務付ける規定や、契約しても特定の内容は無効となるような規定等があり、それも数多く存在します。

 ○ 改正法での契約自由の原則
明文で規定された原則は、①② 『法令に特別の定めがある場合を除き、契約をするかどうかを自由に決定することができる。』、③ 『法令の制限内において、契約の内容を自由に決定することができる。』、④ 『契約の成立には、法令に特別の定めがある場合を除き、書面の作成その他の方式を具備することを要しない。』となっています。
(鈴木:記)

<2019年5月>
 2020年4月1日施行の民法改正のご紹介、今月は<弁済に関する見直し>です。いわゆる、第三者弁済と言われているものについてです。

 ○ 現行法での第三者弁済
Cが債権者Aや債務者Bと利害関係が何もない場合、CはBの意思に反して(BはCには払ってほしくないと思っている。) Aに弁済をすることはできない一方、Bの意思に反していなければ、AはCからの弁済を拒むことができないというのが現行法です。しかし、この問題点として、実はBの意思に反していることを知らなかったAが受けた弁済が、後に無効になってしまう恐れがあるのです。

 ○ 改正された事項
改正法では、この点に関し、AがBの意思に反することを知らなかったときは、Cから受けた弁済は有効であるとし、さらにA自身の意思も尊重し、CはAの意思に反して(Aは見知らぬCからは受け取れないと思っている。) 弁済することができなくなりました。

 ○ 法文の表現を変更
現行法ではCを『利害関係を有しない第三者』と表現していましたが、改正法で『弁済をするについて正当な利益を有する者でない第三者』と変更されました。意味するところは変わっていません。
(鈴木:記)

<2019年4月>
 2020年4月1日施行の民法改正のご紹介、今月は<相殺(ソウサイ)禁止に関する見直し>についてです。改正まで、いよいよ後1年となりました。

 ○ 相殺とは
AとBが、互いに相手方に対して100万円の債権を持っていた場合、片方(例えばA)の意思表示のみで互いの債権を消滅させることです。Aの債権を自働債権、Bの債権を受働債権(Aから見れば債務になる)と言います。

 ○ 受働債権が不法行為であると
現行法は、交通事故でAにもBにも車に損害があった場合、もし双方に過失があればお互い賠償し合わなければならず、仮にBが無資力であっても、Aは自分の債務は全額賠償する義務があるという規定になっています。不法行為により生じた債権を受働債権とする相殺が禁止されている、というのがその理由です。

 ○ 相殺禁止の対象を限定
改正法では、相殺できない不法行為債権を、①加害者の悪意による不法行為に基づく損害賠償(誘発防止という観点から)と、②生命・身体を侵害する不法行為に基づく損害賠償(現実弁償が必要という観点から)以外は、これまでの禁止規定から除外しました。そうすると、上記の例で、AはBに対して相殺の意思表示をして相殺する事ができるかも知れません。
(鈴木:記)

<2019年3月>
 2020年4月1日施行の民法改正のご紹介、今月は<連帯債務に関する見直し>についてです。連帯保証人についても同様の改正がありますので、かなり身近な法改正になります。

 ○ 連帯債務者の一人に対する履行の請求
連帯債務者が複数いる場合、現行法では他の連帯債務者に対してもその効力が生じるとしていますが、他の連帯債務者が当然に履行の請求があった事を知るとは限らないので、改正法では反対にその効力は生じないとしました。

 ○ 連帯債務者の一人についての免除
現行法では、この場合、他の連帯債務者に対して請求できる額が減少することになりますが、債権者の意思に反する恐れがあるという事で、改正法ではその効力は生じず、他の連帯債務者に請求できる額に変わりはありません。

 ○ 連帯債務者の一人についての消滅時効
現行法では、ある特定の連帯債務者から履行を受けるつもりであれば、すべての連帯債務者との関係で消滅時効の完成を阻止する手段を取らなければならなかったのが、こちらも改正法では、他の連帯債務者についてその必要がなくなります。

 ○ 連帯保証人に対する履行の請求
連帯保証人についても、連帯債務者と同様に、連帯保証人に対する履行の請求は、主債務者に対しては効力が生じないことになります。
(鈴木:記)

<2019年2月>
 2020年4月1日施行の民法改正のご紹介、今月は<債務者の責任財産の保全のための制度>についてです。二つの制度が見直されています。

 ○ 責任財産を保全する必要性
債権者Aは債務者Bから債権を回収したいが、Bが第三者に対する権利を行使しないままであったり、自分の財産を他に流出させる行為を行ったりした場合、Aにとって債権回収が困難になるおそれが出てきます。そのため、Bの財産を保全しておくための制度が必要になるのです。

 ○ 債権者代位権に関する見直し
債権者代位権とは、Aが自分の債権を保全するために必要があるときは、Bの第三者に対する権利を、Bに代わって行使(代位)することができる制度です。たとえば、Bが請負業者であれば、第三者である注文者に対する請負代金を、AはBに代わって回収することができるのですが、これまで具体的な定めはありませんでした。そこで、債務者や第三(債務)者の利益保護等も考慮して、ルールの明確化・合理化が図られました。

 ○ 詐害行為取消権に関する見直し
BがAを害することを知ってした行為(詐害行為)について、Aがその取消し等を裁判所に請求することができる権利を、詐害行為取消権といいます。たとえば、Bが所有する建物を配偶者に贈与して、所有権移転登記までしてしまったときは、Aは贈与契約の取消しと所有権移転登記の抹消を裁判所に請求することになるのですが、これまで民法は骨格を定めるのみでした。そこで、関係当事者の利益調整も考慮しつつ、ルールの明確化・合理化が図られました。
(鈴木:記)

<2019年1月>
 2020年4月1日施行の民法改正のご紹介、2か月ほど中断していましたが、また再開させていただきたいと思います。今月は<原始的不能の場合の損害賠償規定>についてです。

 ○ 原始的不能とは
契約成立の時点で、既に債務が履行不能であることです。たとえば、Aが所有している建物をBに売却する契約を1月1日に交わしたところ、その建物が前日の12月31日に火事で焼失していたような場合です。

 ○ 債務不履行になる余地がない
この場合、これまでは、契約の時点でAが建物をBに引き渡すことは物理的に不可能だったので、Aにはそもそも建物を引き渡すという債務は存在せず、契約自体が無効だという考え方が有力でした。しかし、この考え方によれば、Bに何らかの損害が発生していても、Aに対して損害賠償請求は認められないことになります。これは、民法に明文の規定がなかったのも原因です。

 ○ 債務不履行に基づく損害賠償請求権
そこで、今回の改正では、たとえ履行不能になったのが契約の成立前であっても、実は火事の原因がAの火の不始末であったなど、Aに帰責性がある(責任がある)場合には、Bは債務不履行に基づく損害賠償を請求することができるようになりました。
(鈴木:記)

<2018年12月>
 今月は、先月に引き続き、民法相続編の主な改正点についてご案内いたします。

 ○ 法務局で自筆証書による遺言書が保管可能に
現状、自筆証書による遺言書は自宅で保管されることが多いため、せっかく作成しても、紛失したり、捨てられたり、書換えられたりする恐れがありました。そこで、こうした問題によって起こる紛争を防止し、自筆証書遺言をより利用しやすくするため、全国の法務局で、自筆証書による遺言書を保管する制度が創設されます。この制度は、2020年7月12日までに施行されることになっています。 法務局で遺言書を保管してもらうと、遺言者死亡後に必要だった家庭裁判所での検認手続も不要になり、相続人は、遺言書の写しの交付を受けるだけで相続手続を始めることができます。又、相続人の一人が遺言書の交付(閲覧も)を受けると、法務局から他の相続人に対し、遺言書を保管している事が通知されます。

 その他、改正が多岐にわたるため、主な項目のみ・・・
 ○配偶者の居住権を保護するための方策 [配偶者居住権、配偶者短期居住権]
 ○遺産分割等に関する見直し [配偶者保護、仮払い制度]
 ○遺留分制度に関する見直し [裁判所による期限の付与]
 ○相続の効力等に関する見直し [法定相続分を超える権利承継の対抗要件]
 ○相続人以外の者の貢献を考慮するための方策 [被相続人親族の特別の寄与]
(鈴木:記)

<2018年11月>
 これまで、民法債権編の改正についてご紹介してまいりましたが、今年7月に相続編の一部も改正されましたので、今月と来月は、少しだけご案内させていただきます。

 ○ 自筆証書遺言の方式緩和
遺言書の方式は、通常多く使われているものに2種類あります。自筆証書遺言と公正証書遺言です。その内、平成31年1月13日から、自筆証書遺言の方式が緩和されることになりました。これまで自筆証書遺言を作成する場合、その全文を遺言者が自書する必要がありましたが、今後は、財産目録をパソコン等で作成したり、通帳のコピーを添付したりすることができるようになります。民法の条文では、「・・・その目録については、自書することを要しない。」(新968条2項前段)となっています。

 ○ 財産目録の署名押印
ただし、財産目録を自書しない場合は、偽造防止のため、遺言者が目録の全ページに署名押印をしなければなりません。紙の両面に印字されているときは、両面とも署名押印が必要です。(新968条2項後段)

 ○ 変わらない部分
自筆証書遺言で変わらない部分としては、財産目録以外の全文、日付及び氏名は自書しなければならず、押印も必要です。(968条1項)
(鈴木:記)

<2018年10月>
 2020年4月1日施行の民法改正のご紹介、今月は<売主の瑕疵担保責任に関する見直し>です。大変身近な、売買についての規定の改正です。

 ○ 瑕疵担保責任とは
売買の対象となる物(たとえば商品等)に、契約の内容に適合していない部分(欠陥のある状態)があった場合、売主が買主に対して負う責任のことです。

 ○ 買主の権利
今回の改正で、買主は売主に、①損害賠償の請求、②契約の解除、③修補や代替物引渡しなど履行の追完請求、④代金の減額請求をできることが明記されました。ただし、売主は、買主に不相当な負担を課すものでないときは、買主が請求した方法と異なる方法による履行の追完ができるようになります。
 表にまとめますと、
買主の救済方法買主に帰責事由あり双方帰責事由なし売主に帰責事由あり
① 損害賠償不 可不 可可 能
② 契約解除不 可可 能可 能
③ 追完請求不 可可 能可 能
④ 代金減額不 可可 能可 能

 ○ 買主の権利の期間制限
買主は、契約の内容に適合しないことを知ってから、1年以内にその旨の通知(不適合の通知)を売主に行わないと、上記の権利がなくなります。
(鈴木:記)

<2018年9月>
 2020年4月1日施行の民法改正のご紹介、今月は<契約解除の要件に関する見直し>です。債権者と債務者双方の責任の有無について、整理されました。

 ○ 帰責事由とは
責めに帰すべき事由、つまり、債権者または債務者に責任を負わせる理由があるかどうかということです。
 ○ 契約の解除ができる場合とできない場合
債務者が契約の債務を履行しない又は履行できない場合(債務不履行の場合)、債務者に帰責事由のあるなしにかかわらず、債権者は契約を解除できるとしました。一方、債務が履行されない原因(帰責事由)が債権者にあるときは、債権者は契約を解除することはできなくなります。
 ○ 債務不履行が軽微な場合
ただ、債務不履行となった原因が軽微な場合にまで契約が解除されるというのでは、債務者にとってあまりに酷だというので、契約及び取引上の社会通念に照らして不履行が軽微であるときは、解除できないということになりました。
 ○ 催告解除と無催告解除
債権者が契約を解除しようとする場合、債務者に相当の期間を定めて履行を促してからでないと解除はできないのが原則です。しかし、催告まで認める必要がないような一定の場合は、直ちに契約の解除ができ、その要件もはっきり規定されました。
(鈴木:記)

<2018年8月>
 2020年4月1日施行の民法改正のご紹介、今月は<債務不履行による損害賠償の帰責事由>です。債務者の責任の有無について、明確化されました。

 ○ 債務者の帰責事由とは
責めに帰すべき事由、つまり、債務者に責任を負わせる理由があるかないかのことです。裁判実務においては、帰責事由の有無は、契約や社会通念に照らして判断されるものとなっています。
 ○ 履行遅滞と履行不能
現在の民法では、債務者によって債務が履行されていないようなケースで、債務の履行が遅れている場合(履行遅滞)には、債権者が損害賠償を請求するのに帰責事由を考慮するかどうかの規定がなく、債務の履行ができなくなった(履行不能)場合のみ、債務者に帰責事由がないときは免責される(責任を負わない)と規定していました。
 ○ 改正法では
債務不履行による損害賠償に関して、判例や一般的な解釈を踏まえて、履行遅滞かどうか履行不能かどうかを問わず、一般的要件として、債務者に帰責事由がないときは免責されることが規定されました。又、その免責要件の有無は、契約及び社会通念に照らして判断される旨も明記されました。
(鈴木:記)

<2018年7月>
 2020年4月1日施行の民法改正のご紹介、今月は<代理人の行為能力に関する見直し>です。これも、これまで民法に規定がなかったため、明文化が行われました。

 ○ 制限行為能力者とは
単独でできる法律行為が制限された人のことです。具体的には、①未成年者、②成年被後見人、③被保佐人、及び④被補助人が該当します。②~④は、家庭裁判所の審判により定められます。
 ○ 制限行為能力者の代理行為
代理行為はその効果が本人に及ぶものですが、たとえば、未成年者の親が法定代理人として代理行為を行うケースで、その親が“制限行為能力者”となった場合はどうでしょうか。今回の改正は、“制限行為能力者”が法定代理人としてした行為を、例外的に取り消すことができるようにしました。現行民法では、たとえ“制限行為能力者”の代理行為であっても取り消すことができなかったので、本人の保護が十分に図れないという問題がありました。
 ○ 取消権者
上記の取り消すことができる取消権者は、ⅰ)本人、ⅱ)代理行為をした“制限行為能力者”、ⅲ)他の代理人、ⅳ)承継人や、ⅴ)本人に同意を与えることができる者となります。
(鈴木:記)

<2018年6月>
 2020年4月1日施行の民法改正のご紹介、今月は<意思能力制度の明文化>です。これも、これまで民法に規定がなかったため、明文化が行われました。

 ○意思能力制度とは
認知症を患って行為の結果を判断することができないなど、その者がした法律行為を意思能力がないとして無効にするもので、判例・学説上も異論なく認められています。自らが締結した売買契約の無効を主張して、代金の返還等を求めることができます。
 ○改正法の内容
「法律行為の当事者が意思表示をした時に意思能力を有しなかったときは、その法律行為は、無効とする。」と規定されました。
 ○ 原状回復の義務
法律行為が無効になれば、初めからその行為は無かったことになりますが、意思能力のない者が相手方から何か給付を受けていた場合は、現状で利益を受けている限度で、その受けた給付のものを返せば良いことになりました。
 ○ 成年後見制度
類似の制度として、成年後見というものがあります。ただ、成年後見制度を利用するためには、事前に家庭裁判所の審判を得なければならず、まだまだ普及しているとは言い難いものです。一方、この意思能力制度は、家庭裁判所の審判を得る必要がなく、事後的にはなりますが、いつでも法律行為の無効を主張することができます。
(鈴木:記)

<2018年5月>
 2020年4月1日施行の民法改正のご紹介、今月は<約款に関する規定の新設>です。約款という用語は広く用いられていますが、これまで法文上の定義がありませんでした。

 ○ 対象とする約款の定義
ある特定の者(たとえばインターネットのプロバイダーA)が不特定多数の者(利用者B)を相手とする取引で、内容の全部又は一部が画一的であることがAB双方にとって合理的なものを「定型取引」とし、この「定型取引」について合意したABは、Aにより準備された約款(これを「定型約款」といいます。)の個別の条項について合意したとみなします。
 ○定型約款が契約の内容となるための要件
「定型約款」を契約の内容とする旨の合意がAB双方にあった場合や、「定型約款」を契約の内容とする旨をあらかじめAがBに表示していた場合は、「定型約款」に書いてある内容の契約が成立します。
 ○ 契約の内容とすることが不適当な内容の契約条項
「定型取引」の特質に照らし、相手方Bの利益を一方的に害する契約条項であって、民法1条2項『権利の行使及び義務の履行は、信義に従い誠実に行わなければならない。』(信義則)の規定に反する内容の条項は、契約内容とはならないことを明確化しています。
 ○定型約款の変更の要件
契約内容を変更することがBの利益に適合したり、その他合理的な事情等がある場合は、Aは一方的に「定型約款」を変更して、その内容を変更することが可能であることを明確化しています。
(鈴木:記)

<2018年4月>
 2020年4月1日施行の民法改正のご紹介、今月は<債権譲渡に関する見直し>です。債権譲渡と言われても、あまり馴染みがないかも知れませんね。

 ○ 債権譲渡とは
たとえば、建設工事業者Aの施主Bに対する債権(工事代金を請求できる権利)について、Aが金融機関Cから融資を受ける際に、担保としてAがその債権をCに提供することがあります。これを譲渡担保と言いますが、その他、AとCの間で債権そのものを売買する事も可能です。
 ○譲渡制限特約の効力の見直し
民法は、契約で債権の譲渡を制限(禁止)する特約を認めていますが、改正法では、譲渡制限特約があっても、債権譲渡の効力は妨げられない(預貯金債権を除く)事になりました。ただし、債務者(上記で言えばB)は、基本的に譲渡人(元の債権者であるA)に工事代金を支払えば、譲受人(C)に支払う必要はありません。
 ○譲受人の保護
債務者(B)が譲受人(C)から工事代金を支払うように催告を受け、相当の期間内に譲渡人(A)に支払いを行わないときは、BはCに対して直接支払わなければならなくなります。又、Aが破産したときは、CはBに対して、工事代金全額に相当する金銭を供託するよう請求する事ができるようになります。
 ○ 将来の債権の譲渡が可能
これまで民法では規定されていませんでしたが、将来の債権(まだ工事の施工を行っていない段階での工事代金)の譲渡について、改正法でそれが可能である事を明らかにする規定が新設されました。
(鈴木:記)

<2018年3月>
 2020年4月1日施行の民法改正のご紹介、今月は<保証に関する見直し>です。保証人が想定外の多額の保証債務の履行を求められ、生活の破綻に追い込まれないようにしています。

 ○包括根保証の禁止
賃貸借や継続売買取引の保証をした場合等には、保証の上限額(極度額)の定めが必要となり、主債務者の死亡や保証人の破産・死亡等の特別事情(主債務者の破産等を除く)があれば、その保証は元本が確定して終了することになります。
 ○事業用融資における第三者個人保証の制限
公証人があらかじめ保証人本人から直接その保証意思を確認しなければ、事業用融資の保証契約は効力が生じないことになります。ただし、法人の役員、及び個人事業の共同経営者や事業に現に従事している配偶者には、この規定は適用されません。
 ○保証契約締結時の情報提供義務
個人が保証人となる場合、主債務者は、①財産及び収支の状況、②主債務以外の債務の有無、債務の額、債務の履行状況、③担保として提供するものについて、保証人へ情報提供をしなければなりません。
 ○ 主債務の履行状況に関する情報提供義務
債権者は、主債務者が支払いを遅延しているため一括払いを求める場合、個人保証人に対して2か月以内にその旨を通知する義務があります。又、保証人が主債務者の履行状況を知りたいと考えた場合には、①不履行の有無、②残額、③残額のうち弁済期が到来しているものの額の情報を提供しなければなりません。
(鈴木:記)

<2018年2月>
 2020年4月1日施行の民法改正のご紹介、今月は<法定利率に関する見直し>です。こちらも、私たちの生活に大きく関係してきます。

 ○法定利率とは
借金の利息など、債権者と債務者が合意で決めた利率を「約定利率」といいますが、そうではなく、合意がないときに適用される利率を「法定利率」とし、民法で定めています。現在は年5%となっていますが、今の金利と比べるとかなり高いものですし、将来においても、市中金利と大きく乖離する事態となるおそれがあります。
 ○法定利率の引下げ
まず、改正民法施行時に法定利率を年3%に引下げ、その後3年を1期とし、1期ごとに、市中の金利変動に合わせて緩やかに上下させる変動性が導入されます。そして、変動後の法定利率は、法務省令で定められることになります。
 ○損害賠償と法定利率
交通事故等の不法行為による損害賠償でも、遅延損害金は民法の法定利率によって計算されます。では、変動制になるとどの時点の法定利率を使うかが問題になりますが、改正法は事故の日の法定利率によると定めています。
 ○ 中間利息の控除
交通事故等によって被害者が死亡した場合、損害賠償の額は、被害者の将来得たであろう収入から、運用益(中間利息)を控除して逸失利益というものを計算するのですが、この中間利息控除にも法定利率を適用すると規定されました。こちらも、事故時の法定利率が適用されることになっています。
(鈴木:記)

<2018年1月>
 2020年(もう平成ではありませんね!)4月1日から、改正民法債権編が施行されます。大変大きな改正で、私たちの生活にも関係してきますので、今年は順次そのご案内を差し上げたいと思います。今月は<消滅時効に関する見直し>です。

 ○消滅時効とは
権利を行使しないまま一定期間が経過した場合に、その権利を消滅させる制度です。長期間の経過により証拠が散逸し、自己に有利な事実関係の証明が困難となった者を救済し、法律関係の安定を図るという意義があります。
 ○職業別短期消滅時効の廃止
これまで消滅時効は職業別に時効期間が分かれていましたが、原則「知った時から5年」「権利を行使することができる時から10年」に統一されました。例えば、消費者ローンの過払金返還請求の場合、過払いである事を知った時から5年で時効になりますが、過払いである事を後で知ったという場合は、10年たてば時効でその権利が消滅します。
 ○生命・身体の侵害による損害賠償請求権の時効期間
消滅時効の例外の一つとして、生命・身体の侵害による損害賠償請求権は、権利を行使することができる時から(10年ではなく)20年で時効になります。また、不法行為に基づく損害賠償請求権は、損害および加害者を知った時から(5年ではなく)3年、不法行為の時から(10年ではなく)20年で時効となります。
 ○ 時効の中断・停止の見直し
時効の中断とは、それまでに経過した時効期間がリセットされ、改めてゼロから起算されることですが、「時効の完成を猶予する部分」を完成猶予事由と、「新たな事項の進行(時効期間のリセット)の部分」を更新事由として見直されました。
(鈴木:記)

<2017年12月>
 弊事務所では、お客さまから『自分が亡くなったとき、遺産はどう分けたらいいの?』というご相談を受けることがあります。これまで、多くの場合“公正証書遺言”をお薦めしてきましたが、最近、10年前に改正された信託法が注目されています。よくコマーシャルで見かけるのは信託会社(銀行)の商事信託ですが、民事信託というものもあります。

 ○信託とは
“委託者”(財産を持っている人)が、自分で財産を管理しないで契約により“受益者”(利益を受ける人)を指名して、“受託者”(権限を持つ人)に財産管理や運用等を託す制度です。その財産は“信託財産”と呼ばれ、名目上“受託者”名義の財産となります。
 ○ 商事信託と民事信託とは
信託会社(銀行)が“受託者”となって、業として信託を引き受ける制度が商事信託で、信託業法の適用もあります。一方、民事信託は、“受託者”が営利を目的とせずに、一度きりの信託を引き受ける制度です。
 ○ 家族信託とは
民事信託の内、家族(親族)の誰かが“受託者”になるのが家族信託で、“委託者”は信頼できる家族に自分の財産管理等の権限を託すことになります。遺言に代わり又は遺言と併用し、さらに成年後見(任意後見)の制度も使いながら財産管理等を行うことができ、節税対策の一つとして家族信託を利用する事例もあります。
 ○ 新たな信託の設定方法とは
信託法の改正により、遺言で信託をしたり、数代先にわたって“受益者”を指名したり、自らが“委託者・受託者・受益者”となったり等、様々な設定方法を選ぶことができるようになりました。
(鈴木:記)

<2017年11月>
 半年前の「ラグビーワールドカップ2019特別仕様ナンバープレート」に引き続き、今度は「東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会特別仕様ナンバープレート」の申し込みが始まりました。自動車のナンバープレートですが、オリンピックとパラリンピックのエンブレムが2枚1組で交付され、前後面でどちらのものを取り付けるかは自由に選択できるそうです。
 ○申込方法
ご自分でウェブサイト http://www.graphic-number.jp から申し込めます。1,000円以上の寄付をしますと、左下の図柄入りナンバーにすることができます。寄付金は、バス・タクシーのバリアフリー化等に充てられます。

 ○料 金
ナンバープレートの交付料金は、地域により異なります。東京地区は7,200円(寄付金は別途)ということです。
 ○記念保存
特別仕様ナンバープレートは廃車するまで使用でき、ナンバープレートの使用終了後は、不正使用防止のための穴を開けた上で、記念に保存することができます。
(鈴木:記)

<2017年10月>
 先日の日経新聞に、「AI時代のサムライ業 代替の危機 新事業に挑む」という記事が載っていました。その記事の書き出しは、『人工知能(AI)の利用が広がるにつれ、弁護士や弁理士など企業法務に関わる士(サムライ)業が「定型的な独占業務はAIに取って代わられかねない」と危機感を強めている。』というものです。これから弊事務所でも、情報の提供や需要の掘り起こしなどに力を入れていきたいと思います。

AIによる代
替可能性
資格試験
の合格率
主な業務
弁護士1.4%  25.9%  訴訟代理などの法律事務
司法書士78.0  3.9  登記や供託に関する手続き
弁理士92.1  7.0  特許などの出願・登録手続き
行政書士93.1  9.9  官公署に提出する書類の作成
公認会計士85.9  10.8  財務書類の監査・証明
税理士92.5  15.8  税務署類の作成や税務相談
社会保険労務士79.7  4.4  労務・社会保険に関する書類の作成
中小企業診断士0.2  3.4  中小企業の経営コンサルティング       

・弁護士 『米国では訴訟での証拠収集や不祥事調査でAIが使われ始め、弁護士がAIを補助者として利用する事務所も登場した。』
・司法書士・行政書士 『どちらも「定型書類に情報を正確に書き込んで手続きする」仕事。AIに置き換えられやすいとの見方がある。』
・弁理士 『膨大な事例の調査や技術的文章の作成はAIの得意分野。ほとんどが置き換わるのでは。』
(鈴木:記)

<2017年9月>
 先日、下記のハガキが届いたと連絡がありました。連絡をされた方は、これが詐欺だと分かっての事でしたので問題はありませんが、情報共有として皆さまにもお知らせします。ネットでの詐欺が多いのですが、アナログも健在のようです。以下は、最高裁判所及び国民生活センターのホームページからです。

 はがきには、未納となっている「総合消費料金」について、「契約会社等から民事訴訟として訴状が提出された。」「裁判取り下げ最終期日を経て訴訟を開始する。」「連絡なき場合には、原告側の主張が全面的に受理され裁判後の処置として給与の差し押さえ等を強制的に履行する」旨のほか、必ず本人から連絡するよう書かれています。このようなはがきを受け取っても、決して連絡等しないようご注意ください。
http://www.courts.go.jp/about/topics/fushinhagaki

 消費者に、過去に利用した業者への未払いがあると思わせ、それに関して「裁判所に訴状が提出された」「給与、動産物、不動産物の差し押さえ」などと脅して不安にさせたうえで、訴訟の取り下げ等について相談するよう、誘導しています。消費者が「民事訴訟管理センター」に連絡をしたところ、弁護士を名乗るものを紹介され、最終的にはコンビニでプリペイドカードを購入し、お金を支払ってしまったとの相談も寄せられています。
http://www.kokusen.go.jp/news/data
(鈴木:記)

<2017年8月>
 本年5月30日、改正個人情報保護法が全面施行されました。これまでは、5,000人を超える個人情報を取扱う事業者が対象でしたが、この改正で、すべての事業者に個人情報を保護する責務が課せられました。主なポイントは、次のとおりです。

 ○個人情報とは
生存する個人の情報で、特定の個人を識別することができる「氏名」「生年月日と氏名の組合せ」「顔写真」等です。その情報だけで特定の個人を識別できる文字、番号、記号、符号等(個人識別符号といいます。)も個人情報に該当します。
 ○個人情報取扱事業者とは
一定の目的をもって反復継続して遂行される同種の行為であって、かつ社会通念上事業と認められるものを行う事業者です。営利・非営利の別は問いません。NPO法人、自治会や町内会、同窓会、サークル、マンション管理組合等も該当します。
 ○基本的な4つのルール
①勝手に使わない:利用目的を特定してその範囲内で利用すると共に、利用目的を通知又は公表する。
②無くさない、漏らさない:漏洩等が生じないよう安全に管理し、従業者・委託先にも安全管理を徹底する。
③勝手に渡さない:第三者に提供する場合はあらかじめ本人から同意を得ておき、第三者に提供した場合や第三者から提供を受けた場合は、一定事項を記録する。
④問合せに対応:本人から開示等の請求があった場合にはこれに対応し、苦情等にも適切・迅速に対応する。
(鈴木:記)

<2017年7月>
 今年も、昨年に引き続いてお願いです。
 日本行政書士会連合会の公式キャラクター『ユキマサくん』が、またまた「ゆるキャラグランプリ」 http://www.yurugp.jp/ 企業・その他ゆるキャラ部門にエントリーしました。一番下にいる猫が『ユキマサくん』です。行政と書いてユキマサと読みます。行政書士制度の宣伝部長、年齢は5才、性別は♂です。
そこで、この『ユキマサくん』に、できましたら毎日1回投票していただきたいなというのが、今回のお願いです。

 ○投票期間
8月1日(火)から11月10日(金)までが投票期間です。1日に1回、パソコン、スマートフォン、フィーチャーフォン、タブレットのどの端末からでも投票ができます。
 ○投票方法
まず、各端末から公式サイトにアクセスして下さい。『ユキマサくん』のページは、検索サイトで“ゆるキャラ ユキマサくん”と入力して探すことができます。1回目の投票時だけ、メールアドレスとパスワードの登録が必要です。エントリーNo.119がユキマサくんです。
 ○毎日1回
投票は、端末ごとに毎日1回だけできます。ちなみに、昨年のユキマサくんの成績は、約1400エントリー中総合30位、企業その他部門で11位でした。
(鈴木:記)

<2017年6月>
 5月29日より、新しく 『法定相続情報証明制度』 が始まりました。一度でも相続手続を経験された方でしたらお分かりですが、とにかく、相続人を確定するための戸籍謄本等の取得が、案外大変でやっかいな作業なのです。
 これまでは、手続きごとに取得した戸籍謄本等を提出しなければならず、もしそれを返してもらえなければ、また同じ書類を集めないといけなくなっていました。新しい制度を利用すると、その手間が大幅に軽減されるようになります。

 ○STEP1 必要書類の収集
亡くなった方(被相続人)の戸籍謄本・住民票、相続人の戸籍謄本、申出人(相続人の一人)の本人確認ができる公的書類、および行政書士等資格者に委任する場合は委任状が必要。
 ○STEP2 法定相続情報一覧図の作成
被相続人と法定相続人を線で結んだ図面で、これまでも作成していた「相続関係説明図」を「法定相続情報一覧図」に替えたものを作成する。
 ○STEP3 申出書の記入、登記所へ申出
申出書に戸籍謄本等を添えて、被相続人の本籍地、被相続人の最後の住所地、申出人の住所地、または被相続人名義の不動産の所在地のいずれかを管轄する法務局に申出を行う。
 ○STEP4 法定相続情報一覧図の写しの交付
法務局から「法定相続情報一覧図」の写しが交付されるので、戸籍謄本等の代わりとして各種相続手続(不動産、預貯金、有価証券、車等)に使うことができる。
(鈴木:記)

<2017年5月>
 先日、日本経済新聞電子版に 「ロボットと仕事競えますか 日本は5割代替、主要国最大」 『人が携わる約2千種類の仕事(業務)のうち3割はロボットへの置き換えが可能なことが分かった。焦点を日本に絞ると主要国で最大となる5割強の業務を自動化できることも明らかになった。』 という記事がありました。そして、その記事と一緒に『自分の職業を選択・入力するとロボットに仕事を奪われる確率をはじき出す分析ツール』が添付されていました。https://vdata.nikkei.com/newsgraphics/ft-ai-job/

行政書士業務は・・・ Can a robot do your job?
 ○あなたの職業は何ですか?
業種を選択する: 法務  職業を選択する: リーガルサポート従事者
 ○あなたはどんな業務を担当していますか?
法的文書を作成する。 法的文書の秩序を保つ。 意思決定の参考にするために、関係する法的資料を調査する。 法的な手続きや進行を調整する。 問題を明確にし、情報を提供するため、法的手続きにかかわる個人と会う。
 ○あなたの業務をより正確に調べた結果
60.0%(該当する5項目中3業務) ロボットで代替できる。 ⇒さて大変だ!
ちなみに・・・
 ○完全に自動化ができる仕事
ミートパッカー  左官、しっくい職人 眼科検査技師
 ○自動化ができない職業
歴史家  鉱山の屋根用ボルト締め作業員  聖職者
(鈴木:記)

<2017年4月>
 先月、『建設職人基本法』 という法律が施行されました。正式には「建設工事従事者の安全及び健康の確保の推進に関する法律」 と言いますが、公共発注・民間発注を問わず、特別に手厚い対策を国及び都道府県等に求めるものとなっています。

 ○基本理念
建設工事従事者の安全及び健康に関する意識を高めることにより、安全で衛生的な作業の遂行が図られること, 建設工事従事者の処遇の改善及び地位の向上が図られること・・・等
 ○国等の責務
国は、基本理念にのっとり、建設工事従事者の安全及び健康の確保に関する施策を総合的に策定、実施する, 建設業者等は、基本理念にのっとり、建設工事従事者の安全及び健康の確保のために必要な措置を講ずる・・・等
 ○基本計画等
政府は、建設工事従事者の安全及び健康に関する施策の総合的かつ計画的な推進を図るため、基本計画を策定しなければならない・・・等
 ○基本的施策
建設工事の請負契約における経費(労災保険料を含む)の適切かつ明確な積算、明示及び支払の促進, 責任体制の明確化(下請関係の適正化の促進), 建設工事の現場における措置の統一的な実施(労災保険関係の状況の把握の促進等), 建設工事従事者の安全及び健康に関する意識の啓発・・・等
(鈴木:記)

<2017年3月>
 ただ今、ラグビーワールドカップ2019特別仕様ナンバープレートが申し込めるのをご存知でしょうか。自動車のナンバープレートのことです。新車・中古車の購入時だけでなく、現在乗っている車も番号を変更することなく交換できるそうです。

 ○申込方法
ご自分でウェブサイト http://www.graphic-number.jp から申し込めます。1,000円以上の寄付をしますと、左下の図柄入りナンバーにすることができます。この寄付金は、試合会場への輸送力増強等に充てられます。
 ○料 金
ナンバープレートの交付料金は、地域により異なります。東京地区は7,000円(寄付金は別途)ということです。
 ○記念保存
希望すれば、特別仕様ナンバープレートを使用終了後に、不正使用防止のための穴をあけた上で、記念品として保存することができます。
(鈴木:記)

<2017年2月>
 『空家等対策の推進に関する特別措置法』が施行されて、ちょうど2年になりました。空家問題については報道などで時々取りあげられ、関心をお持ちの方も多いものと思います。大阪府行政書士会では、2月24日(金)・25日(土)午前10時~午後4時に “空家問題電話無料相談会” (TEL06-6943-7505)を開催いたします。
 今回は、その空家問題を少しご紹介します。

 ○空家等と特定空家等
空家等とは “建築物又はこれに附属する工作物であって居住その他の使用がなされていないことが常態であるもの及びその敷地” であると定義されています。又、特定空家等を “①倒壊等著しく保安上危険となるおそれのある状態 ②著しく衛生上有害となるおそれのある状態 ③適切な管理が行われていないことにより著しく景観を損なっている状態 ④その他周辺の生活環境の保全を図るために放置することが不適切である状態にある空家等” としています。
 ○放置された空家等老朽危険家屋
現在社会問題となっているのは、①の放置された老朽危険家屋です。各自治体もその対策を行っており、大阪府では近隣住民からの通報やパトロールによって該当の建物を発見したときは、所有者を探し出して是正指導を行うことになっています。この指導に従わず危険な状態が続くようでしたら、行政代執行ということになるかも知れません。
 ○空家になったら
建物が空家になったら、①適正な管理 ②売却 ③賃貸 ④除却(解体)のいずれかの措置が必要になってきます。問題はその費用対効果で、税金対策も必要です。
(鈴木:記)

<2017年1月>
 年末に、国土交通省より行政書士会に、『社会保険への加入周知要望』が寄せられました。建設工事に携わる労働者には、適正な保険加入が義務付けられているため、社会保険等未加入対策に平成29年度を年次目標に取り組んでいるので、協力してほしいという依頼です。少しご紹介します。

 ○作業員の現場入場について
社会保険の加入に関する下請け指導ガイドラインでは、「適切な保険に加入していることを確認できない作業員については、元請企業は特段の理由がない限り現場入場を認めないとの取扱いとすべきである」とされています。元請企業に、下請、孫請、ひ孫請・・・と、すべての作業員の保険加入の確認を求めています。
 ○適用除外の承認を受けて国保に加入している者について
一般に、企業の従業員は必ず協会けんぽや健保組合の保険に加入しなければなりませんが、年金事務所に必要な手続きを行い、適法に国民健康保険の被保険者となることができます。個人事業主が法人化したり、常時使用する従業員が5人以上に増加した場合にその手続きをすることができるのですが、そのケースはあまり多くないようです。
 ○一人親方の取扱いについて
個人で請け負って工事に携わる方は、一人親方として事業主になるのですが、形式が請負であっても実態が労働者である場合は、労働者として会社が保険に加入させることが必要になります。偽装請負という問題が多く発生しているのです。 
(鈴木:記)

<2016年12月>
 11月18日に、改正入国管理及び難民認定法(入管法)が成立しました。報道では、『留学生や実習生として日本に入国した外国人を介護専門職に育成し、就職につなげる。』(日経11/19電子版)という部分のみ注目されていますが、規制の強化も併せて行われています。

 ○介護の業務に従事する外国人の受入れ
介護の業務に従事する外国人の受入れを図るため、介護福祉士の資格を有する外国人を対象とする新たな在留資格「介護」を創設しました。資格を取る必要があるので大変です。
 ○偽装滞在者への対策の強化
偽りその他不正の手段により、上陸の許可等を受けて上陸し、又は在留資格の変更許可等を受けた者に対する罰則を新設し、さらに、営利の目的でそのような行為の実行を容易にした者に対する罰則も新設しました。悪質なブローカーを排除するためです。
 ○退去強制に関する規定の整備
他の外国人による上記の行為をあおり、そそのかし、又は助けた場合を退去強制事由に追加しました。退去強制とは、国外追放ということです。
 ○在留資格取消事由の拡充等
活動目的に応じた在留資格をもって在留する外国人が所定の活動を行っておらず、かつ、他の活動を行い又は行おうとして在留している場合を在留資格取消事由に追加しました。事前に、在留資格の変更を行わないといけないからです。
(鈴木:記)

<2016年11月>
 最近、金融機関等で「犯罪収益移転防止法が改正」といったポスターを見かけられた方はいらっしゃいませんか。別名ゲートキーパー法といいますが、マネー・ローンダリングを防止する法律のことです。日本はもっと厳しく対応しろと諸外国から指摘を受けていたため、10月から改正法が施行されました。今回は、その一部をご紹介します。

 ○疑わしい取引
疑わしい取引を確認するため、取引時確認等を的確に行うための措置やその判断方法が規定されました。一般的な取引の態様との比較、当該顧客との過去の取引との比較、取引時確認事項等の整合性がチェック項目として挙げられています。
 ○本人の確認方法
これまで、金融機関等で本人確認を行う場合、健康保険証や年金手帳等(写真なし証明書の場合)の提示で済んでいたものが、それに加え、他の本人確認書類又は公共料金の領収書等の提示、他の本人確認書類又は公共料金の領収書等の送付、取引関係文書を転送不要郵便等で送付するといった方法に変わりました。
 ○実質的支配者
これまで、法人の場合はその代表者本人を確認すれば良かったのですが、中には、それ以外に実質的支配者が存在する場合があるということで、その者の本人確認も求められることになりました。議決権の25%超を保有する、収益総額の25%超の配当を受ける、その他これらと同等の支配力を有する場合がこの実質的支配者に該当します。
(鈴木:記)

<2016年10月>
 今何かと問題になっている東京都の豊洲市場土壌汚染対策ですが、これも行政書士業務に含まれる事案です。今回は、土壌汚染対策法の面からそれを見て行きたいと思います。なお、豊洲市場の土壌汚染対策は、東京都が動画でもまとめています。
mms://wmt-od.stream.ne.jp/vod09/tmgdc/shijou/dojyou.wmv(閉鎖)

 ○土壌汚染とは
土壌汚染とは、人間にとって有害な物質によって汚染された状態をいいます。豊洲では、昭和31年から63年までのガス製造工場の操業に伴い、ベンゼン、シアン化合物、ヒ素、鉛、水銀、六価クロム、カドミウムによる土壌及び地下水の汚染が確認されました。
 ○土壌汚染のリスク
土壌汚染による健康に悪い影響(健康リスク)は、地下水等経由の摂取リスクと直接摂取リスクの二つの場合が考えられます。そこで、土壌汚染対策法においてこのような経路を遮断する対策が求められ、豊洲では、①地面の下2mを掘ってきれいな土壌と入れ替え、②その上に厚さ2.5mのきれいな土壌を盛り、③これより下の土壌から環境基準を超える汚染物質を取り除くことになっていました。
 ○土壌汚染の除去
土壌汚染の除去を行う方法としては、きれいな土やコンクリート等により物理的に遮断する工法や、汚染された土壌を浄化や除去する工法があります。豊洲では、仮設土壌処理プラントを設置し、汚染土壌を処理した後、処理済み土は環境基準以下になったことを確認し、埋め戻し土として再利用されました。
(鈴木:記)

<2016年9月>
 行政書士の業務の一つに、契約書の作成があります。私が開業した30年前は、和文のタイプライターを使って紙に1枚ずつ打ち込んで書類を作っていました。その後、ワードプロセッサーという日本語専用機が登場し、何枚でも書類の作り直しができるようになって非常に楽になりました。そして、さらに時代は進み、今ではパソコンがなくては仕事にならなくなってまいりました。スマホでもいいのか?
 それでは、これから先はどうなるのでしょうか。私は、電子契約がますます多くなってくるのではないかと思っています。電子契約とは、文書を電子署名が付与された電子ファイルに置き換え、インターネット経由で取り交わす契約のことをいいます。
 さて、そのメリットは?

 ○コストの大幅削減
ペーパーレスになりますので、紙代や印紙代、切手代がかからないのは勿論、印刷・押印・複写・封入・投函・保管などの作業がすべて削減でき、契約・購買・受発注業務の大幅なコストカットが実現できます。
 ○業務のスピードアップ
一度データを入力しますと、その後のリードタイムがほぼゼロになります。また、相手方も紙作業を行う必要がなくなるので、同じようにスピードアップを図ることができます。
 ○BCP対策の強化
紙の契約書は、災害等で原本が消失してしまえばもうどうしようもありません。この点、電子契約は書面と異なり、バックアップをしておくことでそちらも原本性を有することになりますので、その安全性は飛躍的に向上します。
(鈴木:記)

<2016年8月>
 皆さまは、ローカルベンチマーク (通称ロカベン) というものをご存知でしょうか。経産省が、企業の経営状態の把握、いわゆる「健康診断」を行うツール(道具)として作り出したもので、経営者や金融機関等が企業の状態を把握し、双方が同じ目線で対話を行うための基本的な枠組みとし、事業性評価の「入口」として活用することが期待されます。

 ○性格と位置づけ
ロカベンは、金融機関等が企業の経営者と対話を深め、お互いに課題を認識し、行動につなげていくための「きっかけ」又は「たたき台」として使われることを目指したものです。対象企業を選ばず、全ての企業に共通して使え、又、企業の発展段階(創業期、成長期、成熟期、衰退期、再生期又は廃業)のどの段階でも使えるようになっています。
 ○構成と内容
『ローカルベンチマークツール』がExcelで提供されています。そこに財務情報と非財務情報に関する各データを入力して、企業の経営状態を把握することで、経営状態の変化に早めに気付き、早期の対話や支援につなげていくことができます。財務情報の指標には、①売上高増加率(売上持続性)、②営業利益率(収益性)、③労働生産性(生産性)、④EBITDA有利子負債倍率(健全性)、⑤営業運転資本回転期間(効率性)、⑥自己資本比率(安全性)があり、それぞれの点数が算出されて、業種平均と乖離を把握できます。一方、非財務情報の指標には、①経営者への着目、②関係者への着目、③事業への着目、④内部管理体制への着目があります。
(鈴木:記)

<2016年7月>
 今月は、勝手ながらお願いがあります。
 実は、日本行政書士会連合会の公式キャラクター『ユキマサくん』が、今年の「ゆるキャラグランプリ」 http://www.yurugp.jp/ 企業・その他ゆるキャラ部門にエントリーしました。一番下にいる猫が『ユキマサくん』です。行政と書いてユキマサと読みます。行政書士制度の宣伝部長、年齢は5才、性別は♂です。
 そこで、この『ユキマサくん』に、できましたら毎日1回投票していただきたいなというのが、今回のお願いです。

 ○投票期間
7月22日(金)から10月24日(月)までが投票期間です。1日に1回、パソコン、スマートフォン、フィーチャーフォン、タブレットのどの端末からでも投票ができます。
 ○投票方法
まず、各端末から公式サイトにアクセスして下さい。『ユキマサくん』のページは、検索サイトで“ゆるキャラ ユキマサくん”と入力して探すことができます。1回目の投票時だけ、メールアドレスとパスワードの登録が必要です。
 ○毎日1回
投票は毎日1回だけできますので、7月22日から10月24日まで毎日投票していただくと、合計95票入る計算になります。ちなみに、昨年の企業・その他ゆるキャラ部門の第1位の得票数は、607,583票でした。
(鈴木:記)

<2016年6月>
 今月は、建設業許可等に関して大きな改正が行われましたので、ここで少しだけご紹介いたします。他の業種の方には直接関係ありませんが、工事発注者の立場になることがあるかも知れませんので、豆知識としてご覧いただければ幸いです。

 ○解体工事業が新設
これまで建設工事は28の業種に分かれていましたが、今回、“解体工事業”が“とび・土工工事業”から分離され、新しい業種となりました。平成31年5月1日までは、とび・土工工事業者も解体工事を行うことができるという経過措置も設けられています。
 ○経営業務管理責任者の要件が緩和
建設業の許可を得るには、事業主や取締役等の中に、一定期間以上建設業の経営経験を持つ者がいないといけません。今回、その要件が緩和され、いわゆる会社の執行役員として権限移譲された者も、この経営業務管理責任者になることができるようになりました。この執行役員は会社法上の執行役(418条)ではなく、いわば重要な使用人(362条4項3号)という位置付けです。
 ○金額要件が緩和
請負代金額が一定以上の工事現場には、現場配置技術者を専任で置かなければなりませんが、その金額要件が、“建築一式工事”(建物全体の建築を請け負う工事)は5,000万円から7,000万円に、それ以外28業種の工事は2,500万円から3,500万円にそれぞれ緩和されました。この金額(消費税込み)未満であれば、複数の現場を掛け持ちすることができます。
(鈴木:記)

<2016年5月>
 新年度になると、制度や手続きが変わることも多いのですが、行政不服審査法の改正もその一つです。今までは大変使い勝手の悪い制度でしたが、少しだけ国民の側に立ってくれるようになったのではないでしょうか。
 行政不服審査法は、行政庁の処分等に不服がある場合の手続きを定めたもので、裁判に比べて簡易迅速に行えるのが特徴です。今回はその改正点をご紹介します。

 ○不服申立構造の見直し
これまでは、不服を申立てるのに異議申立てと審査請求の二つがあり、どちらの手続きが行えるのか分かりにくかったのですが、改正法では、不服申立類型を審査請求に原則一元化しました。そして、申立期間も60日以内から3月以内に延長されました。
 ○審理・裁決の公正性の向上
これまでは、審理を行う者についての規定がなく、本当に公正な審理ができているのか疑問でしたが、改正法では、原処分に関与していない職員が審理手続を行う審理員制度を導入し、さらに、第三者の立場から審査庁の裁決の判断の妥当性をチェックするため、行政不服審査会等への諮問手続も導入されました。
 ○審理の迅速性確保と透明性向上
改正法では、裁決までの期間の目安となる標準処理期間の設定など、迅速性の確保を行うとともに、審理員候補者名簿の作成など、透明性の向上を図っています。
 その他、改正行政不服審査法の施行に伴い、行政書士法を含め、関係する361法律の規定が整備されました。
(鈴木:記)

<2016年4月>
 弊事務所が所属している大阪府行政書士会では、先ごろ、大阪府、大阪市及び堺市と、それぞれ防災協定というものを締結しました。今後起こるであろう南海大地震等に備えたものなのですが、一体どんな協定なのか、少しだけご紹介します。

 ○大規模災害時における大阪府行政書士会による相談会業務に関する協定書(大阪府)
大阪府と締結した協定では、大阪府内に大規模な災害が発生した場合に、府内の大阪市と堺市を除く各市町村で、行政書士会による無料の相談会を実施するというものです。相談会の実施内容は、相談需要等に応じて、協議をして決めることになります。
 ○災害時における大阪府行政書士会による相談会業務及び行政手続支援に関する協定書(大阪市)
大阪市と締結した協定では、災害時において、行政書士会による無料の相談会を実施するとともに、被災者に必要な行政手続の支援を行うことになります。相談会及び行政手続の内容は、行政書士の業務範囲内においてとなっています。
 ○災害時における行政書士業務に関連する協力活動に関する協定書(堺市)
堺市と締結した協定では、災害時において、行政書士会が支援可能な協力を行うことになり、具体的には、無料相談会の実施(電話相談を含む。)と行政書士業務に関連する業務となっています。さらに、相談業務の内容は、行政手続に関する相談、権利義務・事実証明に関する相談、被災外国人に対する在留関係等入管手続に関する相談、戸籍法・住民基本台帳法に関する相談・・・等の8項目を規定しています。
(鈴木:記)

<2016年3月>
 先ごろ、平成27年国勢調査の人口速報集計結果発表がありました。とうとう、日本の人口が減り始めましたね。これは今までずっと言われてきたことですが、こうやって数字にはっきり表れると、やはりショッキングなものです。
 報道でも盛んに伝えられていますが、今回は、総務省統計局の資料からいくつか拾ってみたいと思います。かなり個人的な感想も含まれますが、ご容赦ください。

 ○日本の人口は1億2711万人
大正9年(1920年)の調査開始以来、初めて国勢調査で人口が減少しました。戦時中だった昭和20年(1945年)でも、その5年前の調査より1.1%増加(沖縄県を含まず。)しているのです。また、大正9年といえば約100年前ですが、その時の人口が5596万人で、減少したと言っても当時の倍以上の人が日本に住んでいることになります。なお、世界の人口は73億4900万人で、日本は世界で第10位です。
 ○大阪府が人口増加から減少に転じる
東京圏(東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県)の人口が全国の1/4以上(28.4%)を占め、すべて増加しているにもかかわらず、大阪府は減少してしまいました。しかも、増加から減少に転じたのは、都道府県では大阪府だけです。もっとも、東京都1354万人、神奈川県913万人、大阪府884万人と、順位は変わりません。
 ○人口減少数が最も多いのは北九州市
私が学生時代を過ごした北九州市は、96万人で1万5千人の減、減少数全国一になりました。その当時は100万都市、7大都市(政令指定都市)と言われていたものが、県内の福岡市にどんどん水を開けられています。
(鈴木:記)

<2016年2月>
 最近、助成金や補助金のお問い合わせが増えています。主に、助成金は、雇用保険料を原資として雇用を増やす企業等に支給するもので、その手続きは社会保険労務士の業務になります。一方、補助金は、税金を使って事業の支援をするもので、こちらは行政書士の業務です。
 先日、国の今年度補正予算が成立しましたので、いくつか補助金をご紹介します。

 ○ものづくり・商業・サービス新展開支援補助金
革新的サービス・ものづくり開発支援とサービス・ものづくり高度生産性向上支援があり、補助率はそれぞれ2/3で、補正予算額は1020.5億円です。革新的なサービス開発・試作品開発・生産プロセスの改善を行う中小企業・小規模事業者の設備投資等を支援します。
 ○中小企業・小規模事業者海外展開戦略支援事業
海外ビジネス戦略推進支援やものづくりサプライチェーン再構築支援等があり、補助率は2/3、補正予算額は20.0億円です。海外販路開拓を目指す中小企業に対し、事業計画の策定や、海外展示会等への販路開拓に不可欠な商談ツールの作成から、情報提供、出店機会の提供等を一貫して支援します。
 ○中小企業等の省エネ・生産性革命投資促進事業
補助率は1/3で、補正予算額は442.0億円です。導入する設備ごとの省エネ効果等で簡易に申請が行える制度を創設し、中小企業等の省エネ効果が高い設備への更新を重点的に支援します。
(鈴木:記)

<2016年1月>
 今年の元旦も初日の出を拝むことができました。自宅の窓から隣の建物越しなのですが、まばゆい輝きでした。
 さて、今回は、年末の日経新聞に『「遺言は公正証書」広がる』という記事が掲載され、弊事務所にもお問い合わせのあります遺言公正証書についてご紹介します。

 ○年間の作成件数は10万件以上
記事によりますと、14年の遺言公正証書の作成件数が10万4490件となり、調査開始以来初めて10万件を超えたそうです。そして、15年はさらに前年を上回るとか。
 ○遺産分割の争いも増加傾向
こちらもその記事からですが、14年に家庭裁判所が受け付けた遺産分割に関する審判・調停事件は約1万5千件で、過去10年で約3割増えたそうです。
 ○遺言者のほかに証人が2名
遺言公正証書を作るには、遺言者と2名の証人が公証役場に出向く必要があります。弊事務所では、所長の鈴木ともう1名のスタッフが証人になることもあります。
 ○遺言執行者を定めるのも
相続でもめないようにと遺言をするのですが、実際の遺産分割をスムーズに進めるため、あらかじめ遺言執行者を定めておくのも一つの方法です。弊事務所では、鈴木より若い行政書士を遺言執行者に定める遺言をしてもらった経験があります。
(鈴木:記)


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